農林水産業

わさびの産地復活とライフサイエンス領域への展開!

事業計画

アグリセンシングを活用した山葵栽培技術の研究開発

東日本大震災の影響により、中山間地特産である葉わさびは、栽培圃場の関係から出荷制限を余儀なくされ、大きな打撃を受けています。当社では、昨年度より施設栽培(ハウス)と高度なセンシング技術を活用した葉わさび栽培の研究開発を進めており、本年度は、これまでに構築した実証環境を活用した栽培試験を中心に、さらなる研究開発を進めていきます。

実施期間

2019-2021

実用化開発場所

相馬市

連携自治体

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現状・背景

震災以前には、浜通り地域の中山間地域での葉わさびは産地化され、多くの生産者が栽培していましたが、現在は産地が消滅という状況にあります。このような状況下において、令和元年度の研究成果に基づき、葉わさびの量産化を中山間地域ではなく、平地の相馬市内で実現することができました。さらに、本年度においては、更なる超促成栽培に取り組み、実用化に向けた検証を行います。

研究(実用化)開発の目標

開発目標は以下の試験及び調査です。
●種子保存の評価
●14時間~16時間の日射を与えた栽培試験の実施
●葉わさびの病害虫の防除システムの開発
●葉わさびの有用成分を増加させる栽培手法の探索
●センシングデータクラウドシステムの機能拡充
●事業戦略の具体化

研究(実用化)開発のポイント・先進性

①超促成栽培
一般的な露地栽培による葉わさびの栽培では、収穫まで約3年の期間が必要ですが、本研究開発によって定植から2.5か月で収穫可能とする超促成栽培に成功しました。これにより、収益性が非常に高いモデルが構築できます。
②種子の発芽促進
乾燥させたわさびの種子は、発芽率が非常に悪いため、冷水をかけ流し、種子を保存するか、採取した種子を即、播種をすることが必要ですが、本研究開発にて長期間乾燥させた種子でも75%以上の発芽率を実現しました。この結果、季節を問わず播種ができることとなり、通年栽培を可能としました。

浜通り地域への経済波及効果(見込み)

①浜通り地域におけるわさびの産地復活により、新たな雇用の創出及び生産者の売り上げ拡大が見込まれます。
②加工事業者による新たな産品の創造によって、経済波及効果が見込まれます。
③わさびの有用成分の増加により、健康食品や化粧品等のライフサイエンス分野の市場を創出することができ、市場規模の拡大が見込まれます。

これまでに得られた成果

①超促成栽培手法として定植から2.5か月で収穫を実現する栽培技術、種子の発芽促進手法を確立。この手法は、他に類がないことから特許を出願。
②耐暑性の向上8℃~15℃の適温に対して30℃でも可能な栽培手法を確立。
③わさびの有用成分の増加成分の増量によって健康食品等に展開する道筋を確立。
④JGAPに対応した栽培システムの構築。クラウド型栽培システムとセンシングデータベースで生産品質の向上を実現。

開発者からの浜通り復興に向けたメッセージ

福島県ならびにJA等関係各位のご支援を賜り、本研究開発が推進できたことにお礼申し上げます。本研究開発の成果をもとに、浜通り地域の新たな事業の創生を当社から発信し、多くの生産者及び加工事業者に参画を求めて参ります。

事業者の連絡先

アグリ・コア株式会社

福島県相馬市柚木字一ノ坪115-1

TEL : 0244-26-9844(担当:純浦誠)

MAIL : info@agricore.co.jp