医療関連
SiC半導体の力で浜通りから世界を変える~SiC半導体の応用で高放射線下に於いても長寿命なγ線カメラの開発~
事業計画
放射線治療リアルタイムモニターのための高耐放射線γ線カメラの実用化開発
耐放射線特性に優れるSiC(シリコンカーバイド)半導体素子を用いて、高放射線下でも劣化が少なく長寿命化が可能なフォトセンサを開発することにより長寿命なγ線カメラの実用化を目指します。事業化は、放射線治療用のリアルタイムモニターを主目的としていますが、廃炉作業や宇宙開発分野への応用も期待出来ます。
実施期間
2020-2022
実用化開発場所
楢葉町
連携自治体
-
現状・背景
放射線線治療のリアルタイムモニターは現状手法が確立されておりません。そのため、治療前後にPETやSPECTなどの別の診断装置で確認しています。身体に負担を与えないように、治療中に放射線照射の様子を正確に観測(リアルタイムモニター)できれば、治療計画通りに治療(照射)が行われているかどうかが確認できます。
研究(実用化)開発の目標
本開発は、当社で開発を行っているETCC(電子追跡型コンプトンカメラ)をγ線カメラとして用いた放射線治療のリアルタイムモニターや原子炉内でのγ線モニターなど、高放射線環境でも動作が可能な高耐放射線γ線カメラを実用化開発します。
研究(実用化)開発のポイント・先進性
実用化開発を行う高耐放射線特性を持つγ線カメラは、まだ製品として存在しておりません。放射線量が比較的低い環境におけるγ線カメラは数多く存在します。例として、ポータブル型ではピンホールカメラ方式(H社製:HGD-E1500等)やコンプトンカメラ方式(M重工製:STROCAM7000HS等)があり、いずれも数千万円前後(ソフトにより異なる)の価格となっています。今回、実用化開発するγ線カメラは、いずれの方式にも適用できて価格も同等に出来る見込みです。また、本開発で用いるγ線カメラはコンプトンカメラ方式を用いたETCCで、多方式に比べて3次元画像が鮮明に観察できるのが特徴です。
浜通り地域への経済波及効果(見込み)
2023年度から事業化すべく3名(以上)の従業員を新規雇用し、製品の試作、評価体制を確立します。現在の試算では50%程度の収益が見込め、会社全体の利益確保にも寄与出来る計画です。今後、増加が予想される商業炉等の通常廃炉作業においても活用が期待されます。また同じ放射線環境下という観点から、これから大幅な市場拡大が見込まれる宇宙分野においても、本技術の適用が大いに期待されます。
これまでに得られた成果
平成30年12月「地域未来索引企業」への選定をはじめとして、令和元年1月には平成30年度「ふくしまベンチャーアワード」で優秀賞受賞、同年10月にはBSフジ「この国の行く末2」にも取り上げられ、令和2年11月に「J-StartupTOHOKU」に選定、同年12月に「第6回ふくしま経済・産業・ものづくり賞の福島民報社奨励賞」の受賞など、多数のメディアに掲載されました。
開発者からの浜通り復興に向けたメッセージ
弊社は、SiC半導体を応用した技術・製品を市場に供給し、医療、産業分野等の進化に貢献します。事業を発展させ地元雇用の拡大を図り、浜通り地域の復興に少しでもお役に立つ事ができれば嬉しく思います。現在、更なる事業の拡大と雇用創出に向けて富岡町、大熊町に工場建設を計画しており今後、同志を募集します。
事業者の連絡先
福島SiC応用技研株式会社
福島県双葉郡楢葉町山田岡字仲丸1番地の7
TEL : 0240-25-8923(担当:山崎康久)
MAIL : yasuhisa.yamazaki@fukushima-sic.co.jp