ロボット・ドローン
配送業務の高度化に向けた無人機活用検証
事業計画
①ドローン:郵便局間及び個宅の配送に必要な通信及び配送技術の検証
②配送ロボット:早期実用化領域の検討、業務要件やロボットの要件の整理及び実証実験
③統合配送管理:2020年度までに検証
実施期間
2018-2020
実用化開発場所
南相馬市、浪江町
連携自治体
-
現状・背景
技術の進化にともない、様々な場面でロボットを活用した社会課題の解決が検討されています。この背景の下、配送現場における人手不足を解消し、将来にわたって社会インフラである郵便・宅配サービスを継続的に提供することを目的に、無人配送の早期実用化に向けた検証を行います。
研究(実用化)開発の目標
①ドローン
■長距離通信技術の実用化検証(LTE、920MHzリピータ)
■個別住宅向けのマーカー及びテザーの連携システムの検証
■他事業者の無人機及び有人機とのコンフリクト回避の検証
■適用地拡大に向けた、候補地と効果の調査
②配送ロボット
■早期実用化を目指す配送領域の設定
■業務要件及びロボット要件の定義
■私有地内での実証実験による実現可能性の検証
研究(実用化)開発のポイント・先進性
①ドローン
郵便局間配送
■郵便局間は地域によるものの、約5km以上の距離のものが多く、ドローンに置き換えるためには目視外飛行を実施する必要があります。また、ドローンの飛行ルート上(特に郵便局周辺)には、民家が多いです。これらに鑑みると、大きく「長距離通信技術」及び「安全性技術」の検証が、実用化に向けて重要な要素となります。
個別住宅の配送
■本事業では、浜通り地区における個別住宅への配送業務をドローンに置き換えるための事業化実証を行います。
■浜通り地区においては、現在、配送を実施していない郵便局が多く存在し、非効率的な運用になっている地域が存在します。また、ドローンを民家の上空に飛行させることに加えて、民家に安全・正確に郵便物等を届けさせる必要があります。これらを実現するためには、大きく「ピンポイント配送」及び「個別住宅向けの配送インフラ」が重要な要素であります。
②配送ロボット
社会インフラである郵便・宅配サービスの持続的提供と福島県浜通り地域の産業復興のため、配送ロボットによる無人配送の実用化を検証することを目的とし、実用化を支える配送ロボットの要件、業務運用を定義、検証及び実証実験を行います。
浜通り地域への経済波及効果(見込み)
無人機による無人配送が実現すると、浜通り地域での新たな雇用の創出や地元企業の売上拡大が見込まれます。また、
高齢化、人口減少及び労働人口減少の環境下においても、現行と同等レベルの配送サービス継続が可能となります。
■無人機の維持・保守等の委託
⇒地元企業における雇用の創出・売上拡大が見込まれます。
⇒ロボット分野における産業の集積と、人材育成の拡大が見込まれます。
■買物支援
⇒物流困難者への配送が可能になり、小売業者との協業により利便性が高まります。
⇒利便性向上により新たな人口の増加が見込まれます。
これまでに得られた成果
■運行管理システムとの連接(飛行位置情報の取得)
■無人航空機の運用詳細化検討
■輸送形態及び郵便物(荷物)の授受方法の検証
■長距離飛行の検証
■様々な気象条件下でのドローンの運用の検証
■無人陸上車両運用検討書
■中間報告書
■最終報告書
開発者からの浜通り復興に向けたメッセージ
日本郵便は、地域に寄り添う企業として事業を行っております。震災後、福島県は産業復興・雇用回復に取り組まれており、日本郵便としても少しでもお力になれるようにご協力させていただいております。
無人機による配送高度化の検証を浜通り地区で実施いたしました。実施に際し、福島県浜通り地区、特に南相馬市、浪江町にお住いの方には、ドローンや配送ロボットの実証実験で大変お世話になりました。おかげさまで、有益な成果を出すことが出来ました。
近い将来、ドローンや配送ロボットが配送する社会が来ると思います。その安心・安全なモデルをこの浜通り地区で構築し、全国へ広げていきたいと考えております。