フッ素樹脂が切り拓くクリーンエネルギー社会

リチウムイオン電池では、小型・高容量化が求められており、電池形態の多様化が予想されます。多様化するニーズに適応するため、電池材料となるフッ素樹脂には、電池作製プロセス適性を加味した性能向上が求められます。
また、蓄電池市場拡大に伴うフッ素樹脂需要増加を見込んでおり、生産性向上が必要です。

令和 4 年度(2022 年度)頃に新プラントでの生産開始を目標にしています。そこに向けて、令和元年度(2019 年度)まで段階的にスケールアップ検討を進め、投資判断をします。
新プラントが操業に至ると、売上 50 億円相当の事業創出、約20人の雇用拡大を見込んでいます。

浜通り地域への経済波及効果（見込み）

新規なフッ素樹脂の開発およびその製造技術開発及びそれらの生産活動をいわき市にて実施すると、約 20 人の雇用拡大が見込まれ、経済活動の活性化へ貢献します。さらに、先進的な電池用途の新規なフッ素樹脂が開発されることで、「いわき市=蓄電池材料産業」との認識・注目度は高まり、電池関連分野の産業誘致の促進が期待できます。産業誘致に至れば、人財流入等により経済活動の活発化が図られます。

これまでに得られた成果

昨年度までの検討で、電池の高容量化に寄与できうる新規なフッ素樹脂を見出し、また生産性向上を見込める手法について実生産スケールでの実証準備を進めました。新規フッ素樹脂は、実生産スケールで製造可能であることを実証しており、顧客採用へ向け、最新の要求特性に基づき物性微調整中です。生産性向上については、実生産スケールでもパイロット品と同等物性の樹脂が製造可能であることを確認しました。

開発者からの浜通り復興に向けたメッセージ

先端的な産業の集積により新たな産業基盤の構築を 目指す「イノベーションコースト構想」の実現のためには、新材料の開発などの個別課題の解決に加えて、分野を跨いだ連携が必須となります。当構想を通して 他分野・他企業と効果的な連携を進め、浜通り地域の更なる躍進へつながることを願っています。