エネルギー・環境・リサイクル

無線通信制御方式改善による電池寿命延命化の実証

事業計画

電池駆動型無線通信システムにおいて、親機と子機の双方向通信時の電池寿命が課題となっています。当課題を解決することで、風力発電装置の軸受など電源供給が難しい場所における状態監視・センシングが可能になり、発電装置の最適な運転条件を検証することができます。

実施期間

2017-2019

実用化開発場所

いわき市

連携自治体

-

現状・背景

■現状の風力発電施設内のセンシングシステム:光ファイバーによる有線通信
⇒問題点:ケーブル断線の恐れがあり、システムの冗長化が必要でコスト高
■無線電波の届かない場所に設置された風力発電施設の遠隔監視が不可能

研究(実用化)開発の目標

■風力発電施設の遠隔監視
・振動センサ、歪みセンサ等によるタワー部のネジの振動監視
⇒東京大学と協同研究予定
・タワーの上層部と下層部の振動差の監視
■地熱を利用した空調機の遠隔監視
・温度監視
・流量監視
■セメント材の温度監視(U字溝等の製造)
・温度上昇及び温度下降の監視
・セメント材の水分量の監視

研究(実用化)開発のポイント・先進性

■弊社のセンシングシステムは、無線通信なので、以下の問題を解決する
・ケーブルの断線の恐れがない。従って、システムの冗長化が不要
⇒システムの低価格を実現
■弊社のセンシングシステムの子機、親機と双方向通信
で電池寿命1年を実現
・各種センサを搭載した子機を電源供給が困難な場所に設置することが可能
⇒電池メンテナンス工数の大幅な削減
■親機と子機間に中継機を3台設置することで、3.2kmの通信距離を実現
・無線電波の届かない場所に設置された風力発電施設の遠隔監視が可能

浜通り地域への経済波及効果(見込み)

■いわきウィンドバレー推進協議会への貢献
■いわき市内の東北ネジ様との協業(風力発電のスマートメンテナンスについて、東京大学と協同研究を進めるにあたり協業する)
■電子回路基板の組立をいわき市内の山幸電機(株)様へ外注

これまでに得られた成果

開発した技術
・子機センシング時間(0.5秒)と親機からの周期的アクセス(10秒間隔)を考慮した通信方式の確立
・親機と子機間の通信距離延長のための中継機同士の自動認識方式(特許出願中)
・ドローン搭載機と親機間の通信方式の確立
開発した機器
■子機1
・歪みセンサ、風速センサ、外部温度センサを各1搭載
■子機2
・歪みセンサ×3搭載
■子機3
・振動センサ、外部温度センサ、子機内部温度センサ
■中継機
・屋外設置用ケースの採用
■親機
・大量のセンシングデータのバッファリング
■ドローン搭載機
・飛行中のドローン搭載機と親機間の通信

開発者からの浜通り復興に向けたメッセージ

昨年度、紹介しました「ウィンドバレープロジェクト」は、「いわきウィンドバレー推進協議会」に名を変えて継続しています。
いわきウィンドバレー推進協議会のメンバーは、いわき市内の企業のみならず県外企業も参画しているため、昨年度の「ウィンドバレープロジェクト」よりはるかに多い会社が参画しています。また、参画各社の参入目的が明確となりました。今後、これをどの様に活かして且つ、どのように組織すべきかが重要です。そのため、いわき産学官ネットワーク協会様が主導権を取って、組織を纏めて頂くことを期待致します。

事業者の連絡先

バックス情報システム株式会社