エネルギー・環境・リサイクル
再生可能エネルギーを活用した乾燥処理システムのエントリモデル実用化開発
事業計画
汚泥乾燥システムを使いやすくパッケージ化することにより再エネ利用の課題解決を加速させる普及機の実証開発を行います。
実施期間
2018-2020
実用化開発場所
相馬市
連携自治体
-
現状・背景
■下水汚泥の生成過程における処理が生物化学的なばらつきや腐食性を伴っていることから、乾燥システムの工程や時間の変動に結び付いています。そのため、運転員の練度やメンテナンス性が障壁となっています。
■再エネ余剰電力の課題は地方ほど厳しい状況にあり、同時に地方ほど下水汚泥処理の減容化に向けた導入コストが障壁となっています。
研究(実用化)開発の目標
■自動化促進がもたらす乾燥品の性状安定化によって、産廃有効利用の促進を目指します。また同じく運転効率化によって、システムの稼働率向上に繋げ、投資効果の向上を目指します。
■小型化によってシステムの据付性を改善しコスト低減を目指します。また熱費消促進の仕組みにより、再エネの有効利用促進を目指します。
研究(実用化)開発のポイント・先進性
以下を実現した市場への導入促進
■運転支援、設備利用率向上を実現する自動化
乾燥工程の自動化促進によって、乾燥運転に従事する作業者の負荷を下げ、乾燥品の性状安定化および運転効率化を図ります。
■導入の簡素化と再エネ活用も考慮した小型化
当システムの導入を検討されるお客様にとっての障壁を減らします。乾燥システムの小型化を図り、余剰電力に対して需要家側が熱費消(P2H)を促進する仕組みを構築します。
浜通り地域への経済波及効果(見込み)
■相馬市における下水汚泥処理費用の削減加速と他地域への展開
■研究員の滞在による交流人口増
■運転・保守人員の地元雇用促進
この実用化開発の成功を、浜通り発のモデルケースとして全国に発信することを目指しています。
これまでに得られた成果
■自動化の成立性評価を実施しました。
乾燥システムの運転データサンプルを分析し、自動化の成立性を評価しました。また、自動化に寄与する取得データを洗い出し、システム検討を実施しました。
■小型化の概念設計を実施しました。
輸送性、据付性を考慮した包絡域内における機器配置検討を実施しました。またこれによって得られる熱効率性向上について評価しました。
開発者からの浜通り復興に向けたメッセージ
■国のエネルギー基本計画では再生可能エネルギーの導入が更に加速され、電源系統容量の制約で系統に送れない「余剰電力」が増加します。相馬発の実績をベースに、これを活用し、産廃処理している下水汚泥の減容化、燃料化を行うシステムを実用化、事業化していきます。
■合わせて、乾燥機システム導入における障壁を減らし、合わせて使い易いシステムにしていきます。