医療関連
移乗機能とリハビリ機能を備えた電動アシスト車いす開発
事業計画
リハビリは介助者が必要で内容も単調、さらには場所、経済的な負担が大きいです。そこで足麻痺の方等が楽しみながらリハビリができる電動アシスト車いすを開発します。電動車いすにペダルを装着し、ペダル重さ調整及び、ペダルに足を乗せるだけでペダル自動回転する機能研究をしました。また、スムーズに発進、微力速度実現のためにモータコントロールのベクトル制御研究を行い、乗り物としての快適性、安全性を追求しました。
実施期間
2016-2018
実用化開発場所
いわき市
連携自治体
-
現状・背景
ペダル踏み力の調整、先行して自動回転するためには、正確なペダル踏み力検出が必要です。それを実現するために、精巧なトルクセンサー装着により、踏み力の検出精度の向上を図りました。また、モータ制御をスムーズに行うためには、ベクトル制御が必要で、そのベクトル制御技術の開発を進めました。
研究(実用化)開発の目標
より安全性を確立した製品版車いすを完成させ、各種認証を取得し、国内外の病院・リハビリ施設・個人への販売をし、事業化後、売上600百万円、直接新規雇用数40人を目標とします。
研究(実用化)開発のポイント・先進性
ペダル踏み力を検出するために精巧なトルクセンサーを装着しました。この結果、ペダルをほとんど踏む力がない方でも、足を乗せるだけで、踏み力を検出してペダルの自動回転を行い、足麻痺の重い方でもトレーニングが実現できます。ペダルと後輪の駆動輪にはチェーンがつながっておらず、電子的にペダル回転数を後輪の駆動輪に伝える方式を採用します。この結果、既存の電動車いすへ簡単に本開発のペダル装置を装着できます。また、運転性能を上げるために、全方向駆動輪を開発しました。この結果、前進後進、の他にその場旋回ができます。狭い室内でも運転が容易にできます。
浜通り地域への経済波及効果(見込み)
実用化が成功した暁には浜通り地域での部品調達、組立、生産を行い新規分野として福祉機器の製造・販売に進出することにより、経済復興、雇用創出に寄与することができます。
これまでに得られた成果
■モータ制御技術、ベクトル制御
効果:スムーズ発進、静音、低消費電力
■全方向駆動輪(タイヤ)
効果:その場旋回実現
■トルクセンサー
効果:脚があまり動かない人でもトレーニングできる
■チェーンレス技術
効果:既存の電動車いすから容易に改造できる
■上記技術を取り入れたペダル付き電動アシスト車いす
開発者からの浜通り復興に向けたメッセージ
■会川鉄工株式会社
実用化開発事業化の達成により、日本における福祉電動車いす産業の進展に大きく貢献し、浜通り地域の新規産業、福祉
機器産業の創出に貢献したいと考えております。
■株式会社鈴木電機吾一商会
この度の助成を受けて「イノベーション・コースト構想」の取り組みに建設業の分野から物づくりの分野に挑戦することができました。この経験を生かして今後の社業と地域産業の発展に寄与していきたいと考えています。