医療関連
福島県内100%部品調達に向けた移乗介助・移動支援・見守り支援機器実用化開発
事業計画
アイザックでは病院・介護施設と連携しながら【医療・介護ロボット】の開発を行っています。
本事業では、ベッドから車いすへの移乗、さらにはトイレへの移乗を、誰でも簡単に、そして安全に行うことができる、移乗介助・移動支援機器を開発しています。あわせて、手首につけたセンサにより取得したバイタル情報をもとに、万が一の時に利用者にかわって救命依頼を行う見守り支援機器の開発を行っています。
実施期間
2016-2018
実用化開発場所
いわき市
連携自治体
-
現状・背景
2025年には団塊の世代全てが75歳以上の高齢者となり、超高齢化社会を迎える我が国において、介護現場の人手不足は介護側の高齢化とも相まって、一層深刻化することが予想されます。弊社では特に介護負担の大きい、移乗介助・見守り支援における介護業務の効率化、人手不足の解消をテーマに開発を行っています。
研究(実用化)開発の目標
■販売売上
2019年度5月頃より県内を中心に販売を開始し、初年度35台を目標に営業活動を実施します。2020年度より本格的拡販を行います。
■雇用計画
2019年度5月以降:量産を開始し、月産10台の生産計画
新規雇用2名(営業2名)
2020年度:月産15台の生産計画
新規雇用5名(製造要員5名)
研究(実用化)開発のポイント・先進性
移乗介助・移動支援機器の開発では、負担の大きな介助動作に対し、センサやアクチュエータ制御等のロボット要素技術を用いることで、より安全に、介助者負担の少ない移乗を実現しようとしています。加えて、被介助者の尊厳を守るために、単なる自動化ではなく、人の手による介助を補助する機器の開発を目指しています。
見守り支援機器の開発では、利用者自らがボタンを押すなどして、救命依頼を行う従来の方法とは異なり、脈波や体温等のバイタル情報を常時モニタリングし、利用者が重篤な状態に陥ったと判断した際には、利用者に代わり自動的に救命依頼を行うシステムを実現しようとしています。
浜通り地域への経済波及効果(見込み)
本事業で開発している機器はロボット技術を活用しています。ロボット産業は自動車産業と同様に裾野が広く、調達部材等は多種多様です。将来的に部材等の調達は浜通り地域を主とした福島県内企業より100%調達を目指します。
また、本事業に従事する技術者は、可能な限り県内から募集を行い、県内における人材育成を行います。さらに、県外からもロボット技術者の採用などで人材を呼び込み、事業拡大を行うことで、浜通り地区における製造業・ロボット産業の拡大に貢献します。
これまでに得られた成果
①移乗機器
施設において実施したヒアリング結果をもとに、利用者に直接触れる箇所の素材・形状・機構の修正を実施し、より安全で心地よく移動できる機体を開発しました。
②移動機器
今年度、製造コストの削減に加え、利用者をより安全に移動させるため、超音波センサによる障害物検知および自動停止機能を追加開発しました。
③見守り支援機器
手首につけた装置により、SpO2、脈拍数、脈波、皮膚抵抗、皮膚温度、加速度データを取得し、バイタルデータの異常を検出した際には、管理者に通知するシステムを開発しました。
開発者からの浜通り復興に向けたメッセージ
東日本大震災そして、原子力災害が起きたあの時、私も福島県にいました。あれから8年が過ぎようとしていますが、今日まで、復興への歩みは途絶えることなく、優秀な人材や技術が次々と浜通り地域に集まってきています。日本のものづくりを支えてきた福島県の製造技術と、新しいことに挑戦していく我々のようなロボット開発会社が連携していくことでますます復興が加速していくことを期待しています。