医療関連
骨折予防のためのテーラーメイドゲノム診断事業の研究開発
事業計画
遺伝子多型に基づいた骨粗鬆症のテーラーメイド診療事業の研究開発
骨折危険因子である骨粗鬆症の患者数は社会の高齢化に伴い年々増加しており、社会的にも問題となっています。浜通りでの健康寿命延命のためにも、骨折予防は重要な課題です。本事業では、骨折予防や治療に関する遺伝子多型診療についての研究および事業開発を行うことで、個々人に最適なテーラーメイド治療法を提供できる仕組みを社会実装します。
実施期間
2018-2020
実用化開発場所
いわき市
連携自治体
-
現状・背景
骨折は身体全体の不調を招きます。治療法としては、食事療法・運動療法・薬物療法がありますが、その効果には個人差が大きい事が骨粗鬆症患者で知られています。本事業では、この個体差と遺伝子多型についての研究開発を行い、骨粗鬆症患者を中心に個々人に最適なテーラーメイド治療法を確立します。
研究(実用化)開発の目標
約1300万人の骨粗鬆症患者を中心に、個々人に最適なテーラーメイド骨折予防情報の提供を目指します。その過程で、骨量や他の疾患に関する遺伝学的要因の解明とその実用化開発を更に進めるとともに、浜通り内に検査センター拠点を設置する事で、売上の一部と共に雇用創出にも繋げます。
研究(実用化)開発のポイント・先進性
株式会社ジーンクエストは、個人向け遺伝子検査事業の先駆者であり、抗骨粗鬆症治療に関して報告されている遺伝子多型から、診断アルゴリズムの開発を行います。一方公益法人ときわ会ではこれまで骨粗鬆症対策に関連して、病院内で複数部局と連携を図り、骨折予防プログラムに注力してきました。本事業により測定拠点の開設を行い、ヒト検体から最新ゲノム技術により遺伝子多型を解析し、現在開発を進めている骨トレと呼ばれるトレーニング指導に、遺伝子多型解析の結果を加える形で、個々人に最適なテーラーメイド抗骨粗鬆症治療を行っていきます。
浜通り地域への経済波及効果(見込み)
福島県は被災により、更に地域全体の高齢化が加速したため、加齢による男女の骨粗鬆症罹患が上昇しています。そのため骨折~寝たきりを防ぐ方策をまず浜通りで実証を行うことで、福島県民全体の医療・健康増進への貢献を図ります。更に全国に普及を図る事で、本事業の展開と周辺のゲノム最新技術を他の疾患予防法の開発に応用する事で、バイオビジネスの開拓と高度専門家の集積定着を図ります。
これまでに得られた成果
遺伝子多型を解析するためのゲノム解析システムはときわ会内で確立しました。現在実用化に向けゲノム解析を行っており、更に骨折予防のための診断アルゴリズムの開発をジークエストが行っています。県内医療機関とは実装に向け協議しています。本事業実施に伴うノウハウの蓄積より、他疾患の高度なゲノム診断開発が可能になりつつあり、新規バイオメディカル事業展開への道が拓けました。
開発者からの浜通り復興に向けたメッセージ
浜通り地域から、国内のみならず海外にも本事業の成果を発信して行きます。その過程で浜通り地域や福島県内への人的産業的な還元を行います。今後は骨粗鬆症治療情報の提供だけでなく、他の疾患にも個々人に最適なテーラーメイド治療情報を提供できる事業の展開を目指します。
事業者の連絡先
公益財団法人ときわ会
福島県いわき市常磐上湯長谷町上ノ台57番地
TEL : 0246-81-5522(担当:事務部総務課 安瀬賢一)
MAIL : riim@tokiwa.or.jp