ロボット・ドローン
災害救援物資輸送ダクテッド・ファンUAV の実用化開発
事業計画
災害救援物資輸送ダクテッド・ファンUAV の実用化開発
災害救援物資をピストン輸送できる無人航空機(UAV)を開発しています。
UAVは、エンジン駆動とすることで、長時間の航行、輸送能力の向上を実現、これに加えてダクテッド・ファンを採用することで、近接性を確保するといったこれまでにない特徴を持っています。また、これに搭載する物資保持機構を、自動化千設備を得意とする協栄精機(南相馬市)と開発しています。
実施期間
2016-2018
実用化開発場所
南相馬市(有限会社協栄精機(共同開発先))
連携自治体
-
現状・背景
災害時には被災地に救援物資・備蓄物資が集積されますが、道路の寸断や、人員不足等の影響により、孤立した場所にいる被災者に救援物資が届けられないことがあります。
これらを解決するために、IHI では、物資を輸送できるUAV を開発しています。
研究(実用化)開発の目標
平成29年度は、UAVと物資保持機構の試作と、これらを組合せてのシステム試験を行っており、平成30年度には運用に向けた試験を行う予定です。
なお、将来的には重量10㎏程度の物資を5㎞圏内の場所へピストン輸送することを目標としています。
研究(実用化)開発のポイント・先進性
従来のUAVは、「航続時間が短い」、「ペイロード重量が小さい」、「近接性が悪い」といった課題があります。
これらの課題を解決するために、IHIでは、「エンジン駆動のダクテッド・ファン付きUAV」を開発しています。
ダクテッド・ファンとは、航空エンジンのように、ファンをダクトの内側で回転させて効率的に推進力を得る装置のことです。
これを取り付けたUAVに、「遠隔操作による物資保持機構」を搭載することで、人手をかけずに孤立した場所にいる被災者に救援物資を届けることが可能となります。
浜通り地域への経済波及効果(見込み)
実用化開発を通じて、協栄精機をはじめとして地元の企業の方には、実証試験を実施するための、機体・エンジン・機器等の組立と整備、実験のデータ計測と解析の支援をいただきたいと考えております。
また、事業化に向けた体制等を構築のうえ、浜通り地域において機体等の組立と整備、オペレータ教習などを行うことを見込んでいます。
これまでに得られた成果
平成29年度には、UAVの試作と組立てを行い、地上試験にて、構造の健全性ならびに推力・制御力を確認したうえで、浮上試験を実施しています。
また、協栄精機が試作した「物資保持機構」をUAVと組合せたうえで、段ボール入りの救援物資を保持・リリースする作動確認を実施しています。
開発者からの浜通り復興に向けたメッセージ
新たな飛行ロボットの実用化開発・事業化を通じて、浜通り地域の産業復興等に貢献していきたいと考えています。