ロボット・ドローン

IJH-CLロボットを搭載したライン型フルカラーデジタルオンデマンド印刷システムの実用化開発

事業計画

IJH-CLロボットを搭載したライン型フルカラーデジタルオンデマンド印刷システムの実用化開発

段ボール用のフルカラーインクジェット印刷システムを実用化します。
1pass型の印刷機で、600×600dpi時で50m/分、600×300dpi時で100m/分の高速且つ高精細な印刷を実現します。
従来の樹脂版印刷と比較し、小ロットやオンデマンド印刷に適した装置となります。
本装置は世界初のインクジェットヘッドのクリーニングロボット搭載を特徴としており、保守コストを大幅に低減させることが可能となります。

実施期間

2016-2017

実用化開発場所

いわき市

連携自治体

-

現状・背景

段ボール向け印刷装置は樹脂版での転写印刷が主流で、印刷ごとに版の製作やインクの調色が必要であり、小ロット対応やオンデマンドには不適でした。
また、市場にあるインクジェットタイプは3~5億と高額でメンテナンスも難しく、メンテナンス性が高く且つ廉価なインクジェット方式の印刷装置が望まれていました。

研究(実用化)開発の目標

2017年度に目標性能を達成した試作装置を完成させ、2018年度に改良を入れた量産装置を開発し販売します。
当初2018年度受注を約1億円としていたが、本研究で開発したインクジェットヘッド制御基板の技術応用により段ボール印刷装置以外での受注が既に約5千万円あり、他分野の引き合いが増加しています。

研究(実用化)開発のポイント・先進性

最大長さ2,100㎜×幅1,400㎜の段ボールを最大100m/分で搬送しながら印刷する、国内初のインクジェット方式による段ボール用印刷装置です。
UVインクを採用し、UV-LED配置の工夫により印刷の質感(テカリなど)を最適化しています。今回実用化した装置は、1色あたり3ヘッド(幅324㎜)を4色(CMYK)配置しフルカラー印刷を可能としました。更に、単色用の3ヘッドを任意位置で印刷可能としました。最大64ヘッドの制御が可能である為、更に大型の装置開発も可能です。
本装置に搭載したクリーニングロボットは世界初となります。

浜通り地域への経済波及効果(見込み)

1台あたり0.6~1億円の装置となります。量産装置では実装基板製作や機械部品の加工、電気部品の購入、盤製作などが発生します。
年間1.5億円以上を浜通り地域から調達することを目指し、5名以上の雇用創出を行います。

これまでに得られた成果

<成果1>
下記により清掃の手間が大幅に軽減されました。
・インクジェットヘッドの自動クリーニング機構
<成果2>
下記により最大100m/分での高速フルカラー印刷が可能となりました。
・インクジェットヘッドを最大動作周波数で駆動可能な制御基板
・最大64ヘッド同期可能な制御ファームウェアおよびFPGA
<成果3>
下記により意匠性の高いデザインが容易となりました。
・段ボール上のレイアウトをイメージ可能な編集ソフトウェア

開発者からの浜通り復興に向けたメッセージ

段ボール印刷装置は市場的に受注サイクルが一定ではありませんが、受注すると大量の部材が必要となります。浜通り地域からの調達を優先し復興へ寄与したいと思います。また、インクジェット技術は紙への印刷以外に様々な応用が可能ですので、県内企業と連携しながら応用製品の開発を行って共に成長していきたいと考えています。

事業者の連絡先

有限会社 品川通信計装サービス、イオス株式会社