ロボット・ドローン
ロボットを活用した半凝固鋳鍛成型の生産システム実用化開発
事業計画
ロボットを活用した半凝固鋳鍛成型の生産システム実用化開発
アルミを素材にしたダイカスト鋳造は大量生産が可能となるのがメリットですが、不良率が高く、生産時に巣が入り強度が弱いなど、いくつかの問題があります。
これを解決するのが半凝固鋳鍛成型法です。素材はアルミ合金を電磁攪拌により半凝固スラリーとし、それをプレスで成型したものです。
この素材を使って自動車部品や各種の部品などを生産するシステムの開発と成型条件の探求を進めています。
実施期間
2016-2018
実用化開発場所
南相馬市
連携自治体
-
現状・背景
従来のダイカスト鋳造では、顧客からの要求である、強度・軽量化・低コストに応えることができていません。
半凝固鋳鍛成型の技術的な可能性は確認されていますが、実用化には至っていません。
研究（実用化）開発の目標
鋳鍛成型の生産システムを2019年までに実用化し、市場へ投入する計画です。
鋳鍛成型システム・製品の浜通り地域における事業化を達成した場合、新工場設立2025年、投資額5億円、新規雇用者数20名、売上10億円等の波及効果を見込みます。
研究（実用化）開発のポイント・先進性
カットされた半凝固スラリーを金型に挿入する成型であるため、通常の鍛造では材料を加熱し、大きな加圧力のプレスで成型しますが、
鋳鍛成型法では、材料が半凝固状態（やわらかい状態の材料）のため、小さな加圧力のプレスで成型出来る特徴があります。この省エネ効果は製品のコスト、設備コストに大きく影響し、市場の要求に応えることができる成型法です。
浜通り地域への経済波及効果（見込み）
半凝固鋳鍛成型システムの実用化・事業化は、地元従業員の雇用の維持・拡大を図るとともに、地元・地域パートナー企業への新たな仕事量増大にも貢献します。
また、新素材・新工法に関連する技術の更なる高度化は、多分野の有力メーカーとの結び付きをもたらし、
地元・地域の高校・大学機関等における優秀な人材の地元雇用への道を拡大し、多様な企業の誘致の糸口になる可能性も秘めており、地元・地域経済へ波及効果もまた、様々な形で生まれて行くと考えます。
これまでに得られた成果
平成28年度に、材料加熱炉・搬送ロボット・サーボプレスの導入と、金型2型を製作し、ラジコンエンジンのピストンを模した部品と、引張試験片のテストピースの製作を行いました。
また、展示会でシステムのパネルと鋳鍛成型した部品を展示し、数社から関心を得ることができました。
今年度は、製品熱処理炉を導入し生産システムを完成させ、展示会で要望があった部品の製作を行い、成型条件の確立を進めています。
開発者からの浜通り復興に向けたメッセージ
復興とは、以前の状態に戻すことでは無く、新たなものを築き上げていくことが本来の復興だと考えています。
そう言った意味でも、まだまだ復興の道半ばではありますが、私共も新たなこのシステムの実用化・事業化を通じて、地元・地域の新たな雇用創出と活性化へ寄与し、復興への一助になれるよう、技術力で以てその実現を目指します。