農林水産業

ドローンとAIによる森林資源の現況推定と将来予測

事業計画

地域資源循環を促進するドローンとAIを活用した森林資源推定・予測システムの開発

放射能汚染により現状は利用が困難な浜通り地域の森林の管理に資することを目的として、ドローンによるレーザー計測とAI(機械学習)、森林モデリングの技術を統合し、立ち入りが困難な地域において広域での毎木レベルの森林資源量の推定と将来の成長予測を行うシステムを開発します。

実施期間

2020-2022

実用化開発場所

富岡町、三春町、茨城県つくば市

連携自治体

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現状・背景

浜通り地域の森林は、放射能汚染の影響で管理が困難な状況ですが、環境回復や災害防止の観点からも間伐などの適切な施業が求められています。これらのことから、リモートセンシングによって立ち入りの頻度を減らしながら広域の森林資源を毎木レベルで調査し、将来の資源量を予測する技術の開発を行います。

研究(実用化)開発の目標

①現状は立ち入りが困難な森林資源の将来活用に資することにより、イノベーションコースト構想実現のため地域活性化、並びに製材業やエネルギー産業等の地域産業への貢献、並びに②所有者や境界が不明な民有林の林地集約、森林施業優先順位の決定、施業規模方法の選定等の森林施策への寄与を目標とします。

研究(実用化)開発のポイント・先進性

①ドローンによる森林レーザー計測
立ち入りが困難な場所においても広域計測が可能
②AI
収集した膨大なデータをAIによって樹木個体レベルのデータに変換する技術を開発
③森林動態モデル
上記のデータを用いて、国立環境研究所が保有する森林動態モデルの改良版を開発し、森林資源(本数、材積、樹木の状態)の現況推定と将来予測を実施

浜通り地域への経済波及効果(見込み)

本技術開発の成果を、県内の測量会社等に供与することで、県内の森林調査が進み、それに伴う直接雇用が増え、本事業を請け負う部門や新規企業の創設が期待できます。
森林資源の調査により資源の利用が進むことが見込まれ、波及効果も含めた経済効果が期待されます。
木質バイオマスを利用する産業や製材業や福島県産材を利用した産業の新規創設が期待されます。

これまでに得られた成果

■UAV搭載型レーザスキャナを用いた森林の三次元点群データ取得(富岡町、約3.3ha)
■検証および樹木個体解析用パラメータのための地上調査データ(樹木個体座標、胸高直径等)の取得(69本)
■三次元点群データより樹木個体情報(樹高、樹冠周、樹冠面積)を解析
■樹冠情報より胸高直径を推定
■三次元点群より樹木個体の点群モデルを抽出

開発者からの浜通り復興に向けたメッセージ

林業事業者の収益増加だけでなく、受注量の増大により林業事業者の育成や規模拡大につながることで地域活性化に結びつくと考えます。また、素材生産量を予測することで、エネルギーや製材の需要に対して安定的なサービスを提供することができ、持続可能な森林資源活用、サプライチェーンを実現できると考えます。

事業者の連絡先

国立環境研究所福島支部 / 株式会社ふたば

福島県田村郡三春町深作10-2 / 福島県双葉郡富岡町大字小浜字中央592

TEL : 0247-61-6572(担当:大場真) / 0240-22-0261(担当:長谷川匡)

MAIL : ooba.makoto@nies.go.jp / m-hasegawa@futasoku.co.jp