葛尾村植物工場から高機能、そして高品質な農産品をお届けします！

植物工場は国内でも多くの事例がありますが、品目は限られており、十分な採算の見込める事業は多くありません。採算性向上のためには、より高付加価値の農作物の栽培体系を確立する必要があり、健康志向を考慮すると、機能性成分を多く含んだ農産物の栽培技術の確立や再現性の確保が重要です。

本実用化開発では、浜通り地域に適した高付加価値農産物の植物工場栽培の事業化を目指しております。そのために栽培体系確立とともに、越冬技術の確立、機能性成分の再現性の確保、安全・安心の保証、市場開拓と販売網の構築、の5つの目標を持っています。今年度は品目をマンゴーとトマトに絞りました。

浜通り地域への経済波及効果（見込み）

新しい植物工場の活用方法(新規の農作物の栽培・販売体系確立)を見いだすことは、中山間地域における農業を軸とする地域経済・社会の課題解決の糸口となりうると考えています。本事業では、2021年から試験販売に着手し、主に贈答品市場(約10兆円)に食い込む戦略で、2022年以降に浜通り地域において生産拠点を設置し、3年以内での「億円単位」の売り上げを目指します。

これまでに得られた成果

①マンゴーの収穫を2年目に行った。
②リコピンもしくはビタミンCの高蓄積系統を選抜し、それぞれの特性と高蓄積メカニズムの一端を明らかにした。
③遠隔作業システムの構築・運用
④シイタケ廃菌床を利用したトマト有機栽培を植物工場で実証し、試食会を行い好評を得た。
⑤トマト2品種に関して、非破壊糖度計による糖度分析の検量線を作成し、非破壊での糖度測定を行った。

開発者からの浜通り復興に向けたメッセージ

本事業では、東北大学で実施している、園芸作物を材料とする遺伝子からフィールドまでの幅広い研究を背景に、地元企業との連携により、浜通り地域の農業の復興に役立てることを目指しています。また、地域活性化に活かすことができる人材の育成・供給も我々の使命です。