人と魚と環境に優しい、餌やりを効率化した陸上養殖プラントパッケージの確立

今後国内外での需要拡大が見込まれる陸上養殖プラント事業に向けて、林養魚場が長年の養殖実績を基に事業化済みの養殖プラントと、ウミトロンが海上養殖で培った摂餌解析技術、そしてNECグループの有する魚体測システムとデータ統合技術を組み合わせ、高効率かつ高収益を実現する給餌システムを開発・検証します。

本取り組みにより開発された給餌システムを、国内外で広がりを見せる陸上養殖プラント事業へ向けて販売します。また、福島浜通り地域発の陸上養殖技術を世界に発信し、地域への新たな陸上養殖プラントの誘致活動とそれに伴う雇用機会の創出、地域経済の発展に貢献します。

浜通り地域への経済波及効果（見込み）

浜通り地域へのプラント誘致に成功すると、資材調達や建設施工等の外部調達が発生しその５割を浜通り地域の企業と連携したとした場合、40～60億円程度の経済効果があると見込まれます。また、プラント維持管理には1プラントに対し5年で10名程度の雇用創出が見込まれます。
さらに、地元教育機関と連携した地域人材の育成、生産される魚の特産品化・加工販売による地域経済の活性効果が見込まれます。

これまでに得られた成果

①餌やり業務改善機器
●各飼育槽に併設する「自動給餌機」とプラント内の各給餌
機まで餌を運ぶ「自動餌搬送機」の開発・設置
②AIによる摂食解析
●飼育槽の魚の様子を捉えるカメラ機器の開発・設置
●画像解析を用いた摂食判定ロジックの開発(今後長期試験にて改善継続)
③成長結果確認ツール
●既存の体測技術をサケマスに応用するためのサンプルデータの取得
●データ統合ツールの開発

開発者からの浜通り復興に向けたメッセージ

福島で古くから親しまれてきたサケ・マス。近年消費者にも特に人気で国内外での養殖事業が活発になってきているこの魚を効率的に育てるための革新的な技術を、浜通り地域から世界に発信していくことに大きな意義と可能性を感じております。地域の方々の引き続きのご協力を賜りますよう、どうぞよろしくお願い致します。