農林水産業
食肉加工をより簡便に安心安全を確保~食肉の軟骨検査、自動切除機~
事業計画
食の安心・安全を確保する食肉用軟骨自動判別とその自動切除装置の開発
新規なX線透過技術、X線検出技術、AI画像処理技術を活用し、外食産業などで強く要望されている「食肉中の軟骨を自動的に選別できる装置」の開発を行い、食肉検査市場に安心・安全を目指した新しいサービスを提供します。本事業計画で従来のX線検査装置では見つけることが難しかった軟骨を自動認識し、これを自動的に切除します。
実施期間
2020-2022
実用化開発場所
南相馬市
連携自治体
-
現状・背景
食品業界では異物検査に強い関心があり、これらの検査は食の安心・安全から必須となっています。この中で食肉加工の現場では、主に経験に頼っている軟骨の除去が大きな障害になっています。本事業は新規のX線透過・検出技術、AI画像処理技術を活用した装置を開発し、食肉検査市場に新しいサービスを提供します。
研究(実用化)開発の目標
市販されている食肉検査装置の多くは、食肉中の金属異物検査が目的であり、当申請課題のような軟骨や小骨の検査は出来ません。一方、近年の市場はこれら軟骨や小骨の検査ニーズは高まっており、今回は検査だけでなく、軟骨や小骨などの対象物を自動的に取り除く機能を実装することを目標とします。
研究(実用化)開発のポイント・先進性
X線透過技術、X線検出技術、AI画像処理技術を活用し、外食産業などで強く要望されている「食肉中の軟骨を自動的に選別できる装置」の開発を行い、食肉検査市場に安心・安全を目指した新しいサービスを提供します。
既に当社では小型試作機を製作し、フィージビリティスタディを重ねて来ました。右図に示すのは試作1号機です。小型ながら最高の性能を得る試作機を実現させました。下記の装置の仕様を示します。
●X線源:Wターゲット、80kV、60mA焦点サイズ50μ
●ラインセンサー:ピクセルサイズ50μ
浜通り地域への経済波及効果(見込み)
福島県は数多くのブランド牛を持つ、食肉供給県となっています。この中で食肉加工工場の自動化の最大の障害になっているのが、異物除去、特に軟骨の除去となっています。この従来の異物検査装置では見えなかったものを、南相馬を中心とした工場で開発された装置で可能にすることにより、安全に処理されたブランド牛を出荷できると考えています。
これまでに得られた成果
軟骨の検出に関しては、試作検査装置を製作し、繰り返し試験を行うことで、十分に軟骨が判別可能となっています。これに関しては新しいラインセンサーの開発とソフトウェアのアルゴリズムが鍵となっており、得られた実験データから、最適解を見つけられるような基本設計が完成できました。最終的な自動切除の最終目標に向かい、どの様なデバイスが必要かのフィージビリティ・スタディを開始できました。
開発者からの浜通り復興に向けたメッセージ
浜通り地域には福島ブランド牛の一つ飯舘牛があります。
良い牛肉を育てる環境が戻り、産業が復興する際に食肉の安全安心を担保する装置が供給できれば、食肉の供給基地となれるのではと考えております。開発は南相馬工場で行っていますので、量産型装置組立も南相馬で構築する予定です。
事業者の連絡先
株式会社三和製作所
神奈川県横浜市港北区綱島東6-12-34
TEL : 0243-48-4222(担当:齋藤雄一郎)
MAIL : saito.yuichiro@3wa-corp.jp