農林水産業

センシングハウスによる葉わさびの促成栽培を普及させることで浜通り地域の新たな産品の創出を図る

事業計画

アグリセンシングを活用した山葵栽培技術の研究開発

東日本大震災の影響により中山間地特産である畑わさびは栽培圃場の関係から出荷制限が余儀なくされ、大きな打撃を受けています。本事業は、施設栽培(ハウス)と高度なセンシング技術を活用した葉わさびの栽培を実証し、相馬市及びその周辺地域で葉わさびの生産の復活と特産品化を推進していきます。

実施期間

2019年度~2021年度

実用化開発場所

いわき市

連携自治体

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現状・背景

震災以前、葉わさびは霊山、伊達地域を中心に 4 億円規模の市場がありましたが、震災により壊滅状況にあります。また、従来までの栽培では出荷まで 3 年を要しましたが、センシングハウスを用いた葉わさびの栽培技術により 1 年で収穫可能となり、この成果を地域の生産者に対してライセンス供与することにより、浜通り地域の新たな特産品の創出を図ります。

研究(実用化)開発の目標

葉わさびの種子は、冷水のかけ流しにより種子保存を行いますが、通常の植物の種子と同様にこれを乾燥させた状態での保存技術を確立することで、通年、播種が可能な栽培環境を構築します。また、葉わさびは病害虫の防除に関して防除体系が確立されてないことから、この防除手法を確立します。

研究(実用化)開発のポイント・先進性

センシングハウスを用いることにより、通常、3年を要する葉わさびの収穫期間を 3 年 から 1 年に短縮すると共に、栽培に必要な各種データ(気象データ、養液、潅水等)のデー タベースを構築することで、当社の栽培技術を用いる生産者と情報共有が可能となります。また、品質の均一化、生産量の拡大を図ることが可能となります。

浜通り地域への経済波及効果(見込み)

当面の目標である地域経済への波及効果は、①栽培面積 40ha ②出荷量 100 トン(3 年の栽培期間が1年となることから)③売上高 2 億 5000 万 ~3億 円の経済効果になると推察します。また、この収穫量は岩手県(525 トン)、静岡県(144 トン)に次ぐ全国 3 位に位置するものであり、地産品として福島のPRとなり、加工品(静岡県では様々な加工食品が販売されている)などの副産物も期待ができます。潜在的市場規模は、10 億円以上 ( 静岡県では33億円 ) になると推定できます。

これまでに得られた成果

3 年を要した収穫までの期間を 1 年に短縮することに成功。
JGAP に対応した栽培管理システム(サーバー側ソフト)の開発
センシングハウスの環境制御システムが完成

開発者からの浜通り復興に向けたメッセージ

葉わさびは、マイナーな作物ですが、練りわさび等の加工品以外に、葉わさびに含まれる成分を活用した育毛剤や防腐剤等の多様な商品開発が進められており、需要は拡大傾向にあります。当社の栽培技術を用いて葉わさびの生産にご協力いただけれ幸いです。

事業者の連絡先

アグリ・コア株式会社

〒 979-0202 福島県相馬市柚木字一ノ坪 115-1

TEL : 0244-26-9844(担当:純浦誠)

MAIL : info@agricore.co.jp