環境制御技術を用い従来困難とされてきたイチゴの通年生産・完全無農薬栽培を実証中。

急速に進む気候変動、農業の担い手の減少、イチゴの夏季供給量低下といった事業環境課題に加え、Global G.A.P に代表される第三者認証の登場など農作物の生産や物流に対する要件が厳しさを増していくなか、現状では認証取得済み生産者数が圧倒的に不足しています。弊社の PUTFARM を用いることで国産食料における安心安全および安定供給力の向上に貢献していきたいと考えています。

寒冷地域において、通年で大果イチゴを生産するため、栽培~収穫・出荷までの工程を自動化し、特に夏季においてはこれまで安定供給できなかったイチゴを安定供給することで地域の食産業に貢献します。また、環境制御された室内環境での作業となること、自動化され俗人的なノウハウや技術継承が不要となることで農業生産人口の増加に寄与します。

浜通り地域への経済波及効果（見込み）

幅広い世代に人気の高いイチゴの通年栽培、特に夏季における安定供給を可能とする栽培技術の確立は大きな市場性を秘めています。実証地である田村市は東北新幹線や東北自動車道による首都圏への供給も容易であり物流面からも販路拡大が期待されます。大型イチゴは浜通り地域における名産品となるだけでなく雇用拡大、農地の有効活用にも繋がるなど経済波及効果は大きいと考えます。

これまでに得られた成果

寒冷地における屋内農場として低コスト、短工期、耐候性を実証中。今年度の課題として栽培面では栽培装置を考案・制作しイチゴの栽培に着手、必要な養液量や濃度について実証し、旧来の栽培装置よりも収量増加が期待される手応えを得ています。販路開拓の面でも引き合いを複数いただいており改めて市場からのニーズが高いことを実感しています。

開発者からの浜通り復興に向けたメッセージ

PUTFARM は温度・湿度をそれぞれ独立して管理でき、また高い遮熱性能から外気の影響を殆ど受けず室内環境を制御することができるため寒冷地においても通年栽培で農作物を育てることを可能とします。本実証で環境制御のパッケージ技術を確立することで、育苗、花卉、養鶏、陸上養殖など植物工場の枠に囚われず幅広い領域への事業展開が可能と考えており、これらを通じて浜通り地域の復興に貢献して参ります。