農林水産業

中山間地域の農業振興のための新 ICT 「自然と共生した高付加価値営農モデル」の開発

事業計画

中山間地域の農業振興のための新 ICT 「自然と共生した高付加価値営農モデル」の開発

近年急速に進化している農業分野でのIT利用により、条件が厳しい中山間地域で培われてきた様々な営農方法を記録し、その再開を支援する手法を検証しています。農業ではその土地固有の自然と共生した手段が伝統であり、こうした生産手段の多様性を確保することで、都市農村交流・農福連携などのビジネスモデルの導入を目指します。中長期的には、激変する気象環境に対応した生産手段の確保により、食料の安定生産基地としての地域像を模索しています。

実施期間

2016-2018

実用化開発場所

葛尾村

連携自治体

-

現状・背景

浜通り地域の中山間地域の営農再開を支援し、地域振興・地方創生に寄与することを目指している。人口減少とそれに伴う社会課題の多くは、震災の影響を受けたものの、震災前からの課題が加速したものでもあります。この開発が解決すべき課題は世界的な課題でもあり、葛尾村での成功事例は大きな影響力を持つはずです。

研究(実用化)開発の目標

平成30年度中には本開発技術の応用による葛尾村内でのビジネスモデル検証を行うため、現地で2~4名程度の直接雇用を想定しています。
また、ビジネスモデルは福祉・ツーリズム関連を含んでおり、交流人口としては年間述べ100~300名程度を目指します。以後の年次においてはこれらを上回る雇用・交流人口を目指します

研究(実用化)開発のポイント・先進性

営農方法の記録(AgriculturalInformatics)において、センサ類のみならず(エンジニアと)ロボットを効果的に導入することで、従来にない「(農業における)暗黙知の形式知化」の仕組みを構築しました。
この仕組みにより、さまざまな営農技術を記録すると同時に、これらの技術を東北大学の専門家の知見から科学的にスクリーニングします。
大学側には研究シーズが、現場には開発ニーズ~ビジネスが生まれることになり、農業へのIT導入の大きな意味を創出することに繋がります。
IT農業の進化には、都市農村交流・農福連携などの「新しい人の流れ」も加速することが期待できます。

浜通り地域への経済波及効果(見込み)

「5年以内に年商10億円規模のビジネスに」をスローガンに開発を続けている。
中山間地域の1次産業および地域社会経済の活性化は、先進国の地方地域に見られる共通課題です。浜通り地区での課題解決策の提示は、世界各国の先駆け事例になると思われます。

これまでに得られた成果

農作業ロボット:現在は灌漑や温度調節など、もっとも原始的な営農行為を行うロボット(パッケージ)となっています。教材としても利用可能な他、エンジニアが自由にカスタマイズできます。
動物個体識別(画像認識)ソフトウエア:野生動物の行動把握のための種別判定・個体識別を目指し、現在は産業動物の個体識別のためのソフトを開発中。家畜の状態監視への応用期待。
ヴァーチャル農作物(ソフトウエア):センサ類が集めた農業関連情報を統合的に集約するデータベースシステムを開発中。営農再開への実用を期待。

開発者からの浜通り復興に向けたメッセージ

①対象エリア:福島県内・浜通り地域。
②求めるポイント:連携・協力。
福島県の被災地復興なくして、東日本大震災の復興はないと考えています。この困難なチャレンジに、東北復興農学センターと共に取り組む方々との連携を希望します。

事業者の連絡先

東北大学(株式会社SJC、株式会社NTTドコモ、トライポッドワークス株式会社)