エネルギー・環境・リサイクル

LIB負極材用 高容量ハードカーボンの開発

事業計画

新規な炭素材料の開発とその製造及び評価技術

リチウムイオン電池の負極材料に適した新規な炭素材料製造の開発を次の通り行います。
①これまでに培った炭素材料の開発・製造の経験をもとにした炭素構造制御技術による高機能・高性能化。
②競争優位性に優れる独創的な製造技術の開発。
③高容量ハードカーボンの電池性能を適切に定量化できる評価方法の開発。

実施期間

2020-2022

実用化開発場所

いわき市

連携自治体

-

現状・背景

CO2削減に寄与する動きとして、電気自動車の普及が急速に進められており、その電源となるリチウムイオン電池には高性能化が求められています。負極材料の主流となっている黒鉛よりも充放電による膨張収縮が小さく容量が高いハードカーボンを開発し、早期に事業化すべく検証を行います。

研究(実用化)開発の目標

●リチウムイオン電池の負極材料用途として高機能・高性能化された新規炭素材料の開発を目標とします。
●炭素材料の競争優位性に優れる独創的な製造技術の構築を目標とします。
●電池用途としての炭素材料の定量的な評価技術の確立を目標とします。

研究(実用化)開発のポイント・先進性

「高容量で安全な」リチウムイオン電池が求められて
います。私たちはハードカーボンを活用し、以下の課題
を解決する負極材料開発を行っております。
課題①リチウムイオンの格納容量が大きい
これまでハードカーボンが主流ではなかった要因の一つです。炭素構造の制御により格納容量を従来比1.5倍以上に増加させることに成功しつつあります。
課題②充放電時の体積の膨張収縮が小さい
他の負極材料(黒鉛やシリコン系など)が抱えてる課題であり、ハードカーボンはそもそも膨張収縮が少なく優位性があります。
課題③充放電を繰り返したときの容量低下が小さいこと
従来のハードカーボンであれば問題なくクリアできており、高容量化してもその特性を維持できるのか検討しています。

浜通り地域への経済波及効果(見込み)

新規な炭素材料の開発、その製造技術開発及びそれらの生産活動をいわき市にて実施すると、雇用の拡大が見込まれ経済活動の活性化へ貢献するものと期待できます。具体的には、新プラント操業に至ると、売上40億円相当の事業創出、約15人の雇用拡大を見込んでおります。また、蓄電池は、複合材料であって多種多様なメーカーが関連しており、産業誘致における効果も大きいと推測しています。

これまでに得られた成果

①製造条件が炭素構造に与える影響が明らかになりつつあります。その構造の変化と電池性能の関係把握に着手しました。
②上記炭素材料を製造する上で好適と思われる装置で試作を行い、小スケールではありますが安定生産に目処が付きました。
③高容量ハードカーボンの電池性能を定量的に評価可能な手法の開発を進めております。評価を積み重ねて本評価手法の妥当性を検証いたします。

開発者からの浜通り復興に向けたメッセージ

既存製品であるバインダーに加えて炭素材料を開発することで、浜通りが電池材料の開発・製造拠点の一つとして認識されるようになるというのが理想です。それにより産業誘致が促進されれば、浜通りの復興に貢献できるのではないかと考えております。

事業者の連絡先

株式会社クレハ

東京都中央区日本橋浜町三丁目3番2号

TEL : 0246-88-9154(担当:近藤展征)

MAIL : no-kondo@kureha.co.jp