エネルギー・環境・リサイクル
地域資源を活用した革新的なスマートエネルギー事業とまちづくり計画を支援
事業計画
汎用型地域エネルギーマネジメントシステムの設計と復興・まちづくり計画・評価システムの開発
国立環境研究所が、新地町及びスマートコミュニティ事業体及び関係企業と連携し、地域エネルギー事業を中核とする新たな復興・まちづくりを実現するための汎用型の計画・評価システムを開発します。このシステムでは、地域の空間特性や地域資源の活用可能性を踏まえた地域エネルギー事業計画を支援し、効率的な復興・まちづくり設計や運用体制等の検討を可能にします。
実施期間
2018-2020
実用化開発場所
新地町
連携自治体
-
現状・背景
地域主体が主導する分散型の地域エネルギーシステムの実用化とその展開が喫緊の課題となっています。新地町のスマートコミュニティ事業を先導モデルとして、新たな再生エネルギーの活用を含む地域エネルギー事業の面的展開を可能にする計画支援システムを構築します。
研究(実用化)開発の目標
浜通り地域を中心とする様々な自治体に展開する汎用的なエネルギー需要予測・エネルギーマネジメント評価システムを開発します。エネルギー復興・まちづくりを含む情報を提供するコンサルティングパッケージを形成して、官民連携で事業展開します。
研究(実用化)開発のポイント・先進性
浜通り地域の復興自治体などを対象として、エネルギー需要量を算定するとともに、再生可能エネルギー、コージェネレーションなどの分散型電源導入を含む地域エネルギー事業、地域での電力融通を前提としたディマンドレスポンスやEV充放電、蓄電池制御などのエネルギー需給制御の最適化の効果を算定します。これにより、対象地域において、地域新電力や地域エネルギーサービス事業などの導入の最適化や、具体化した際の省エネ・環境性や経済効果を定量的に把握することが可能になります。この地域展開シナリオ開発により、地域のスマートコミュニティ事業を基幹とした、将来に向けた中長期のまちづくりのパッケージを提供する計画プロセスを構築します。
浜通り地域への経済波及効果(見込み)
新地町の官民連携で進める先導的な地域エネルギー事業により得られた知見を活用し、他の浜通り地域の復興自治体へ波及する汎用的な計画・評価システムを構築しています。これにより個々の技術開発や施設間の連携を超えて、地域の復興まちづくり計画とともに、官民が連携する地域エネルギーマネジメント支援、及び自治体や地域ステークホルダーが主導的に参加するまちづくり計画の実現を目指します。
これまでに得られた成果
●対象都市、地域の持続的な将来目標を設定してそこに至るためのロードマップを描き、それを可能にする再生可能エネルギー、蓄電ネットワーク利用を含む最適な運用を提示する計画・評価システムのプロトタイプを開発
●地域特性を反映する統合評価モデルを活用して定量的な将来シミュレーションを可能にして、地域エネルギー事業を核とした将来の地域復興・統合まちづくりシナリオを構築
開発者からの浜通り復興に向けたメッセージ
地域の持続可能な復興を実現するには、地域の環境・経済・社会の価値を高めつつ、長期的な目標と具体的な事業設計が必要です。新地町でのパイロットケースの試みを浜通り全体の地域の社会システムとして共有して、自治体と地域企業、専門家が連携する新しい復興のスタイルを構築、提供することを目指します。
事業者の連絡先
国立研究開発法人国立環境研究所
茨城県つくば市小野川16番地2
TEL : 0247-61-6572(担当:藤田壮)
MAIL : Shinchi_ic@nies.go.jp