エネルギー・環境・リサイクル
エネルギー循環型汚泥処理システム~再エネ地産地消と廃棄物利活用の実現~
事業計画
再生可能エネルギーを活用した乾燥処理システムのエントリモデル実用化開発
相馬市の復興と発展を推進すべく、地域が抱える課題解決を以下のとおり実現します。
●廃棄物処理:汚泥(数t/日、含水率70%~)の乾燥機を安価で使いやすくします。
●再エネ自家消費、逆潮流制約解決:再エネ発電と当システムをP2H ※1により連携し実現します。
※1:P2H: Power to Heat余った電気を熱に変換して蓄熱し使いこなす考え方です。蓄電池を利用するより安価に蓄エネルギーが可能です。(特許出願中)
実施期間
2018-2020
実用化開発場所
相馬市
連携自治体
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現状・背景
再エネ余剰電力の課題は地方ほど厳しい状況です。数t/日前後規模の中小規模下水処理場や食品工場の汚泥処理施
設では、減容化(※減容化…ごみの体積を減らすための処理)設備の導入による採算が合わない状況です。これに対し、コンパクトで据付けしやすく、機械学習による自動化、無人化を進めた乾燥システムを実用化し課題を解決します。
研究(実用化)開発の目標
機械学習を適用した運転効率化により、システムの稼働率を1.5倍以上向上させ、投資効果の向上を目指します。また、乾燥完了タイミングを最適値に決定し、乾燥品性状を安定化させ、廃棄物の利活用促進を目指します。また、コンパクト化による据付性改善や、熱費消促進の仕組みにより、コスト低減や再エネの有効利用促進を目指します。
研究(実用化)開発のポイント・先進性
●運転支援、設備利用率向上を実現する自動化
機械学習による乾燥工程の自動化促進によって、乾燥運転に従事する作業者の負荷を下げ、乾燥品の性状安定化および稼働率1.5倍以上の運転効率化を図ります。
●導入促進と再エネ活用も考慮したコンパクト化
当システムの導入を検討されるお客様にとっての障壁を減らします。乾燥システムの小型化を図り、余剰電力に対して需要家側が熱費消(P2H)を促進する仕組みを構築します。
浜通り地域への経済波及効果(見込み)
地域エネルギーの有効活用、産廃等処理費用(相馬全体の50%にあたる年間約2,000万円)の低減と域内への還元に向けた成果を創出しています。
①1システムにつき、域内の雇用を1~2名増
②研究、肥料燃料ペレットの生産拠点化(循環肥料そうまとして肥料登録済)
③配管、電設、検査等の域内業者殿に取引先としてご協力頂くと共に、派生する環境、エネルギー、農水の各分野との連携先が増加
これまでに得られた成果
●自動化機能により1.5倍の稼働率を実現。乾燥品性状が安定し、さらには利活用先との連携が進んでいます。
●作業者は資格を取得し、地元の高付加価値人材として継続的に活躍しています。
●機械学習による機器類の無人運転化ノウハウが拡充しています。
●産官学連携が増え、ご視察や他の自治体様からのプロポーザルのご依頼を頂いています。
●2020年度福島県新事業分野開拓者に認定されています。
開発者からの浜通り復興に向けたメッセージ
電源系統容量の制約で系統に送れない「余剰電力」が顕在化しています。相馬発の実績をベースに、汚泥廃棄物の減容化、乾燥品の利活用を行うシステムを事業化していきます。乾燥機システムの導入障壁を減らし、効率的で使い易いシステムとなっています。
事業者の連絡先
株式会社IHI
東京都江東区豊洲三丁目1番1号 豊洲IHIビル
TEL : 03-6204-7460(担当:ソリューション・新事業統括本部)