エネルギー・環境・リサイクル
余剰汚泥にバッチグー
事業計画
バチルス菌優占化装置と高分解活性バチルス菌を用いた余剰汚泥削減システムの開発
活性汚泥法による排水処理では、生じる余剰汚泥の廃棄費用が企業の大きな負担となっています。活性汚泥細菌中でバチルス菌を優占化すれば余剰汚泥の減量や悪臭の抑制が期待できます。バチルス菌を優占化する装置を開発します。さらに、強力な有機物分解能力を持つバチルス菌株を独自に分離し、優占化装置とともに利用することで余剰汚泥のさらなる減量を実現します。
実施期間
2020-2022
実用化開発場所
いわき市
連携自治体
-
現状・背景
余剰汚泥の処理費用は高額であり(1トン当り30,000円)、大きな負担となっています。排水の組成は業種によって異なるため、バチルス優占化の効果も異なります。効果を予測するために、小、中及び大スケールの装置を製作して、検証試験、実証試験を行い、顧客候補を定
研究(実用化)開発の目標
浜通り地区で現在活動している種々の産業及び今後発展が期待される先進的な産業において生じる排水処理を、効率的で安価に処理する方法を提供します。これにより排水が適切に処理され、環境汚染や公害を防止することができ、サスティナブルな社会の構築に寄与することができます。
研究(実用化)開発のポイント・先進性
①バチルス菌優占化装置(バッチグー)
●バチルス菌を特異的に増殖させ、活性汚泥に作用させます。
●バチルス菌が持つ機能を高いレベルで発揮させます。(汚泥の沈降性や膜分離性の向上、余剰汚泥の削減、異臭の抑制)
②バチルス優占化を装置として開発した実例は見当たりません。
③直面した課題と対策
●排水の成分や懸濁物の変動によるバチルス優占化への悪影響
対策:排水の性質に合わせて、いくつかの対策を取ります。
浜通り地域への経済波及効果(見込み)
バチルス菌優占化装置がある程度限られた分野の排水で期待通りの効果を示した場合を想定すると、実用化開発終了後2年後の年間売上げとして、バチルス菌優占化装置(10台)、水処理管理業務(10件)高分解能バチルス菌の種菌の販売(40件)総計数億円の売上げを見込んでおり、新規雇用は10名を見込んでいます。適用できる産業分野がひろがれば、効果はさらに広がることが期待されます。
これまでに得られた成果
①装置の製作:試験→効果の確認
●1L培養装置:バッチ試験→汚泥増加の抑制(最高で30%程度)
●2連浄化装置:連続試験→汚泥の沈降性の向上
●バチルス優占化実機(BG5000):実証試験→検討中
データをまとめて優先権主張出願を実施
②高活性バチルス菌の分離:施設毎に異なる種々の排水に対応するために、プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼなど種々の酵素活性を有する菌株をそれぞれの酵素活性毎に96株単位で分離し、活性が高く相性のよい菌株を選択します。
開発者からの浜通り復興に向けたメッセージ
浜通り地域の産業排水や生活排水の浄化方法に新風を供給し、環境汚染のないサスティナブルな社会の実現に貢献します。原発事故による放射性物質汚染の除去が現在以上になかなか進まない現状にありますが、優れた排水浄化システムを開発し、浜通り地域を新たな産業拠点として世界に発信したいと考えております。
事業者の連絡先
タオ・エンジニアリング株式会社
福島県いわき市常磐水野谷町亀ノ尾85-14
TEL : 0246-43-3425(担当:押田忠弘)
MAIL : t-oshida@tao-eng.jp