エネルギー・環境・リサイクル
高アルカリ性製品製造時に使用可能な耐衝撃性の高いパレットの開発
事業計画
高耐久性・高化学抵抗性を有するパレットの技術開発
石炭灰混合材料やコンクリート2次製品等の比較的高いアルカリ性を有する製品の製造プロセスで使用可能な高耐久性・高耐アルカリ性を有するパレットの製品開発を行います。本事業ではパレットメーカーと共同で、当社と同様な高負荷環境に晒される事業者が安心して利用できる安価なパレットの開発を目指します。
実施期間
2019-2021
実用化開発場所
南相馬市
連携自治体
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現状・背景
当社は石炭灰を主原料とした再生砕石を製造しており、加圧振動成形と蒸気養生において搬送も含め同じパレットを利用しています。そのためパレットは物理・化学の両方に富んだ耐久性を要求されます。海外メーカーが開発したパレットがありますが、調達に時間と輸送費用が掛かるため安価な国内品が必要です。
研究(実用化)開発の目標
石炭灰とセメントが主原料となるためpH10~12程度のアルカリ性に耐え、パレットの両端支持した状態で600kgのブロックを2日以上保持でき、その状態で蒸気養生(最大90~100℃)に耐えるパレットを開発します。要求する性能を満たし、費用が1枚5万円未満となる製品を開発目標としております。
研究(実用化)開発のポイント・先進性
耐薬品性、耐衝撃性、耐温度性等が要求される高負荷環境下でパレットを利用する事業者は、各々の要求性能を満足する独自製品を開発することが多いため、事業化検討時に設備耐久性や費用検討の指標となる製品が無く、自社開発する場合は事業開始前に開発費用が必要となります。弊社のような安価なリサイクル製品を製造する事業者が、自社費用でパレットの開発をする場合、事業収益性が著しく悪化する可能性もあり、汎用性のあるパレットが必要となります。本事業の要素技術は既存技術を組み合わせたものであり、開発2年目では、耐薬品性と耐温度性を有すると共に200kNの瞬間的な衝撃に耐え、600kgの製品を長時間保持できる試作品パレットを製造し、実機環境下で長期耐久性試験を実施しています。
浜通り地域への経済波及効果(見込み)
開発したパレットを当社が約2,000枚導入します(製造設備コスト含め約1.5億円)。同時に浜通りで事業化を検討している再生砕石製造業者に当社製造システムと併せて利用を提案し、新規事業の誘致を促します(パレットのみで約5,000万円/1案件)。また当社での利用実績を基にインターロッキングブロック製造事業等への導入を提案します(100~1,000万円/1案件)。
これまでに得られた成果
パレットメーカー及び東北大学と共同で当社環境における負荷を測定し、開発目標値を確認しました。次に耐薬品性や耐温度性など設計で効果を得にくい項目を満たす素材を選定し、長期耐久性と耐衝撃性を満たす形状をシミュレーションにより設計しました。試作品を製造し、実機試験の結果を基に表面の加工等を決定しました。現在は長期耐久性確認のため、当社実機で繰り返し試験を実施しております。
開発者からの浜通り復興に向けたメッセージ
浜通り地域は日本でも有数の石炭火力発電所の偏在地域です。その廃棄物である石炭灰を有価物に再生する事業は地域の廃棄物削減やリサイクルという観点からも重要です。石炭灰を原料として有効活用する事業を浜通りに誘致できるような品質と経済性に優れたパレットを開発します。
事業者の連絡先
福島エコクリート株式会社
福島県南相馬市小高区女場字猿田1番地23
TEL : 0244-26-4198(担当:佐山一雄)
MAIL : sayama@fukushima-ec.com