エネルギー・環境・リサイクル

次世代の石炭火力発電からの産業副産物活用による製品品質の改善

事業計画

IGCCスラグの石炭灰混合材料への活用

次世代の石炭火力発電方式として石炭ガス化複合発電(IGCC)が注目されており、県内においてもR2年度に勿来IGCC発電所が、R3年度に広野IGCC発電所が稼働する予定です。そこで、現在当社で製造中の人工砕石にこれらのIGCC発電所から発生するIGCCスラグを混合利用することで、製品品質の改善を図り安定した事業展開を目指します。

実施期間

2020-2022

実用化開発場所

南相馬市

連携自治体

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現状・背景

CO2排出量が低減できることから、次世代発電方式として期待されている石炭ガス化複合発電(IGCC)においては、産業副産物はスラグ状となり従来の石炭灰の1/2に低減できます。このIGCCスラグに関してはR2年度にコンクリート用砕石のJIS化制定がされたほか、関連機関で指針作成が進められています。

研究(実用化)開発の目標

現在弊社で製造している人工砕石(ORクリート)を道路・駐車場工事で利用する場合、下層路盤材利用に限定されています。このORクリートにIGCCスラグを混合利用することで基本物性を改善して上層路盤材活用も可能とすることで、これまで以上に多くの復興工事で利用して頂くことを期待しています。

研究(実用化)開発のポイント・先進性

従来の石炭火力発電に比べ発電効率が高く、CO2排出量が少ない石炭ガス化複合発電所(IGCC)がR2年にいわき市で、R3年度に広野町で、それぞれ稼働を開始します。弊社ではこれらのIGCC発電に伴い発生するスラグを、現状の主原料である石炭灰の一部に置換して人工砕石(ORクリート)を製造する取組を開始しました。
IGCCスラグは有害重金属類の溶出リスクが低いこと、および砂状で心材効果が期待できることから、現状のORクリートの品質向上が期待できるほか、セメント量の低減による経済性改善効果も期待できます。また、品質改善が実現できればORクリートの新たな用途開拓に繋がることも期待できます。

浜通り地域への経済波及効果(見込み)

福島県浜通りにおいてはR2年に勿来IGCC発電所が、R3年に広野火力発電所がそれぞれ稼働を開始する予定です。両発電所からはスラグ状の産業副産物が各々5~7.5万t/年発生することが想定されており、弊社が現在製造している石炭灰利用人工砕石にIGCCスラグを利用することで、両発電所と連携した産業副産物の地産地消が実現できると共に、慢性的な浜通りの骨材不足の解消に寄与します。

これまでに得られた成果

実用化開発初年度は、共同研究(委託研究)先の日本大学工学部と連携し、IGCCスラグの混合率を種々変化させた人工砕石(ORクリート)を製造し、製品としての環境安全性および物理特性(品質改善効果)の確認を行いました。また、これらに試験結果をもとにした基本配合に関しては、実プラントでの作業性(締固め特性)の検証と、経済性の確認(製造コスト試算)を実施しました。

開発者からの浜通り復興に向けたメッセージ

福島県ではR2年に勿来IGCCが、R3年に広野IGCCが稼働開始予定で、この2つの発電所が稼働すると県内におけるIGCCスラグ発生量は全国の90%を超えることになります。弊社としても産業副産物の地産地消の実現に寄与できればと取り組んでいきます。

事業者の連絡先

福島エコクリート株式会社

福島県南相馬市小高区女場字猿田1番地23

TEL : 0244-26-4198(担当:門馬怜史)

MAIL : monma@fukushima-ec.com