エネルギー・環境・リサイクル
幅広い機器選定と自由な構成で電力の地産地消とBCP 対策を実現する中規模蓄電システム
事業計画
系統待機型オフグリッド蓄電システム技術開発
グリッドパリティ達成による太陽光発電自家消費モデルの推進に向けて、通常時は太陽電池と蓄電池から電力を供給され、夜間や天候不順で発電量や蓄電量が落ちた場合には系統からの電力供給に切替可能で、コストメリットもある高度化自動切替を持つ系統待機型オフグリッド蓄電システム技術を開発します。
実施期間
2019年度
実用化開発場所
富岡町
連携自治体
-
現状・背景
世界的に地球温暖化防止に向けた再生可能エネルギー導入が進められる中、太陽光発電は設備価格が下がっていますが、蓄電池システムは未だ高額となっています。再生可能エネルギーの更なる導入を推進するため、課題である蓄電池システムのコストおよび汎用性を克服するシステムを開発します。
研究(実用化)開発の目標
高度化自動切替器を開発することにより、世界的に実績があり安全で低価格な海外製蓄電池システムやインバータを導入可能とする系統待機型オフグリッド蓄電システムを実用化し、再生可能エネルギーの導入促進や国内の蓄電システムの低価格化の実現を目指します。
研究(実用化)開発のポイント・先進性
開発する系統待機型オフグリッド蓄電システムは、主に①高度化自動切替器、②蓄電池、③インバータ、④太陽光パネルから構成されます(図1参照)。開発のメインとなる高度化自動切替器は、オフグリッド負荷に対して、通常時は太陽電池と蓄電池から電力を供給するのに対し、夜間や天候不順で発電量や蓄電量が落ちた時は電力会社の系統からの供給へと、高速に切替えることを実現します。その特長は以下の通りです。
■ 電力会社の系統とは電気的に分離できることから、JET 認証等を取得していないが安全で低価格な海外製蓄電池やインバータも適用可能。
■ 接続する蓄電池やインバータの制約がないため、大容量のオフグリッド負荷にも対応可能。
■ 電力切替部に SSR(半導体継電器)を採用することにより、切替耐用回数が多く長寿命。
本蓄電システムでは遠隔監視管理システムにより、遠隔地のパソコンなどで太陽光発電量や蓄電池残量などをリアルタイムで監視可能であり、さらに高度化自動切替器の遠隔制御も可能であることから、VPP(Virtual Power Plant)や DR(Demand Response)といった新たな仕組みにも応用できます。
また、今回採用する海外製の単相インバータは 3 台連結 することで三相インバータとして使用で きるため、インバータの組み合わせで様々な用途に使用可能です。
浜通り地域への経済波及効果(見込み)
開発する系統待機型オフグリッド蓄電システムの事業展開にあたり、浜通り地域で製造組立事業のノウハウを持つ企業や県内外に販売ネットワークを持つ企業と合弁で新たな事業会社を設立し、システムの組み立てによる雇用の創出、2023 年までの 3 年間で総額約21億円の販売を目指します。
これまでに得られた成果
高度化自動切替器の実証機の設計から試験まで完了しました。
さらに、系統待機型オフグリッド蓄電システムのテスト環境として福島県双葉郡富岡町に太陽光パネルと実証用コンテナ設備を設置し、海外製蓄電池とインバータを使い、開発した高度化自動切替器が狙い通りの機能を実現できることが確認できました。
開発者からの浜通り復興に向けたメッセージ
弊社は地域に貢献できるエネルギーソリューションを提供することを目指し、東日本大震災をきっかけに設立した企業です。今回開発した系統待機型オフグリッド蓄電池システムが再生可能エネルギーの導入促進や災害時のBCP対策に役立つことはもちろん、福島県内で組立てることにより、地域の雇用創出に貢献できることを期待しております。
事業者の連絡先
株式会社エコロミ
〒 101-0054 東京都千代田区神田錦町 2-5-1 神田坂田ビル 6 階
TEL : 03-5244-5537(担当:企画開発部 丹羽正一郎)
MAIL : s.niwa@ecolomy.co.jp