エネルギー・環境・リサイクル

小型バイオマス発電システムの商業化に向けた開発計画

事業計画

食品廃棄物をメタン発酵させバイオガスを回収し、発電機で電気・排熱を活用する方法としてバイオガス発電があります。建設から運用までのコスト削減と効率化を図り、地域毎に設置が可能な小型バイオガス発電システムの開発を行い、今まで有効利用されていなかった食品廃棄物をエネルギーに変換させる研究を行っています。

実施期間

2016-2018

実用化開発場所

いわき市

連携自治体

-

現状・背景

日本では年間約1,500万トンの食品廃棄物が有効利用されずに焼却などにより処分されています。バイオガス発電も食品廃棄物を有効利用できる方法のひとつですが、採算性・食品廃棄物の調達・消化液処分などの問題で導入が進んでいないのが現状です。小型バイオガス発電システムの開発により、それらの問題を解決しようと考えています。

研究(実用化)開発の目標

実用化開発が2019年度までに達成できれば、発電システムの主要部分を浜通り地区で分散製作・販売することにより、3年後の2022年度において6~10億円の売上、5~10名程度の雇用が見込めるものと考えます。

研究(実用化)開発のポイント・先進性

小型バイオガス発電システムが実用化されれば、県内のみならず日本国内で一般廃棄物として処分されている食品廃棄物を原料とする発電システムが普及し、地産地消型の再生可能エネルギーによる発電として電力供給、二酸化炭素の排出抑制に貢献できます。
また、発電システムの製造・販売が事業として成り立ちます。将来的には一般家庭から出る食品廃棄物を効率よく収集し、それらを無駄にすることなく発電できるような社会構築が可能です。

浜通り地域への経済波及効果(見込み)

大・中規模のスーパーマーケットが多数ある他、飲食店や旅館・ホテルも相当数あり、そこから排出される食品廃棄物量を調査し、回収方法を検討した上で発電プラントを建設し、売電事業を行う予定です。飲食店や旅館・ホテルの廃棄物が利用可能となれば、いわき市内だけでも相当数の発電プラントが建設できるものと考えます。

これまでに得られた成果

■加水槽、発酵槽の材質をステンレスからコンクリートに変更
⇒コストダウンに成功
■発酵槽内にメタン菌の滞留時間確保の為、様々な種類の炭素材を採用
⇒発酵効率が向上
■板式上下撹拌方式を採用
⇒電力消費量が低減
■前処理として破袋分別機を導入
⇒作業時間短縮

開発者からの浜通り復興に向けたメッセージ

2040年頃には県内エネルギー需要の100%相当量を再生可能エネルギーで生み出すことを目標にしている本県にとって、普及促進のためには社会構造や意識を変えることが重要であると考えます。バイオガス発電事業は食品廃棄物をエネルギーとして利用でき、また発酵後に出る消化液を肥料として農業利用が可能です。循環型社会の構築のため、本事業に関心のある事業者、農業従事者、行政の方々のご理解、ご協力をお願い致します。

事業者の連絡先

共栄株式会社