エネルギー・環境・リサイクル

発電用燃料としての建設廃棄物からの高品質RPF(廃プラスチック固形化燃料)製造技術の開発

事業計画

従来RPF製造に不向きとされている建設廃棄物からRPFを製造し、それを燃料に廃棄物発電することで、安価なクリーンエネルギーかつベース電源を確保することができます。本研究においては、建設廃棄物を燃料として使用するために必要な品質(カロリー、有害物質濃度)を管理するために、様々な選別技術を定量評価し、製造工程の最適化状況を導き出します。

実施期間

2017-2018

実用化開発場所

相馬市

連携自治体

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現状・背景

建設廃棄物由来の廃プラスチック類はほとんどが単純焼却や埋立処分されているのが現状です。最終処分場の逼迫や、中国の廃プラスチック類の輸入禁止(2017年12月)により国内での廃プラスチック類の滞留が問題となる中、建設廃棄物由来の廃プラスチック類を発電燃料にすることによって、資源の有効利用やエネルギーの自給率の向上に寄与できると考えています。

研究(実用化)開発の目標

RPFの製造開発においては、バリスティックセパレーター、ジグザグセパレーター、乾式洗浄機、光学式選別機、RDFアナライザーなど様々な装置に対して、機械ごとの灰分の除去率、有害物質の除去率を定量化し、それらについての知見を蓄積します。そしてそれらの知見に基づき、品質の安定したRPF製造工程の最適化条件を導き出すことを目標とします。

研究(実用化)開発のポイント・先進性

タケエイでは、国内初のRPFを主燃料とする発電事業を計画しています。燃料となるRPFは福島県内及び首都圏から発生した建設廃棄物由来のプラスチックを原料に製造する計画です。
これまでの建設廃棄物由来のプラスチックは排出される過程での汚れ等により、カロリーや有害物質含有量等、品質が不安定であり、発電燃料としては不向きでした。本研究開発では、カロリー、有害物質含有量の品質安定化を図ることを目的に、製造工程の最適化条件を導き出します。
さらに今後は、地元地域への電気の供給や、得られた安価な新エネルギーを利用した水素製造など新たな取り組みも行っていく予定です。

浜通り地域への経済波及効果(見込み)

本事業では、福島県内及び首都圏で単純焼却、あるいは埋立処分されている建設廃棄物由来の廃プラスチックを対象にRPF原料の集荷を行います(2~3万トン/年)。製造したRPFは全量をRPF発電所(約7,000kW)の燃料にします。発電した電力(約55,000MWh/年)は、地元公共施設や周辺の工場等へ供給するほか、将来的には電解水素製造に利用します。年間売上規模はRPF原料の集荷・製造で2~3億円、RPF発電で7~8億円程度であり、総投資額は約40億円を想定しています。

これまでに得られた成果

本研究ではカロリー及び有害物質含有量の品質が安定したRPF製造工程の確立を目的としています。昨年度は、カロリーの要素である灰分をほぼ10%以下に低減できることが立証できました。今年度は、光学選別機及びRDFアナライザーを使い、有害物質(塩素分、硫黄分等)の除去効果の解析及びRPFの品質管理を行っています。現在までに光学選別機の条件(感度、搬送速度等)による塩素分除去率についてその傾向を解析しています。今年度中には、一定の基準に適合したRPFの製造工程が確立できるよう研究していきます。

開発者からの浜通り復興に向けたメッセージ

本研究開発を行いRPF発電を事業化することにより、将来的には廃棄物の適正処理、ゼロエミ化(廃棄物ゼロ化)、付加価値化、クリーンな電気の創出といった川上の事業と低コストの電力を用いた川下の事業(水素事業等)を一体に展開することで、新たな技術開発と多くの人材雇用の創出ができると考えております。

事業者の連絡先

株式会社タケエイ