エネルギー・環境・リサイクル
一般産業から発生する石炭灰を活用した人工砕石を製造し、浜通りの建設工事に提供
事業計画
県内発生製紙会社石炭灰の有効活用
当社は火力発電所から排出される石炭灰を主原料として人工砕石を製造しています。入口戦略として原料多様化の観点から製紙会社等の発電設備から発生する石炭混焼灰の活用を検討します。前述した混焼灰の特性を調査し、これを人工砕石として活用するための技術開発および市場動向等の調査研究を行い、福島県浜通り地域で安定した事業展開を目指します。
実施期間
2018年度~2020年度
実用化開発場所
南相馬市
連携自治体
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現状・背景
日本の火力発電所は高効率で石炭を燃焼させるため、排出される石炭灰も素材として品質の高いものが発生し、有効利用率は 98% と高い数字を示しています。その一方、製紙会社等の一般事業では木質チップ等を混焼する事が多く、その灰の有効活用は多くの課題を抱えています。本事業では製紙会社の混焼灰を人工砕石製造に活用するための検討を行います。
研究(実用化)開発の目標
本事業では製紙会社から排出される混焼灰を人工砕石製造に活用し、県内の廃棄物量を削減する事を目標とします。当社事業で利用している電力会社灰との併用を目指し、混合によるメリット、デメリットを確認し、安全性を確保できかつ経済性がある混合基準を明確にします。
研究(実用化)開発のポイント・先進性
製紙会社等の小規模火力発電で発生する混焼灰は、電力会社から発生する石炭專焼灰と比較すると少量です。混焼灰を安定して処理する方法として專焼灰と混合処理の効果確認を実施しています。混焼灰は原料名としては石炭火力から排出される専焼灰と同じ「石炭灰」となりますが、混焼灰には石炭由来以外の成分が含まれる可能性があり、その活用においては環境安全性を検証し適切な処理を行う必要があります。 浜通り地域の石炭火力発電所において発生している石炭灰と併せて同地域で発生する製紙会社石炭灰を有効活用する事により、産業副産物の地産地消を図り、復興資材の安定供給に寄与し、地域復興に貢献したいと考えています。
浜通り地域への経済波及効果(見込み)
本技術開発は、産業廃棄物として処分されている混焼灰のリサイクルを実現し埋立処分場の延命化に繋がります。また安価な人工砕石を市場に供給する事で復興資材価格高騰の抑制に寄与するとともに浜通りにおける慢性的な資材不足を解消します。更に混焼灰の有効利用を図ることで、県内混焼灰排出事業者の事業性の向上に寄与し、また福島県内へのバイ オマス発電所等の誘致を促進することで 再生可能エネルギーの利用拡大にも繋が るなどの波及効果を期待しています。
これまでに得られた成果
本事業は平成 30 年度から実施しており、福島県内の製紙会社等から混焼灰を調達し、成分分析等でその特性を収集しています。得られた結果から專焼灰との混合利用を目指し、溶出等の課題をクリアできる最適な混合割合を検討しています。專焼灰との最大の差異は組成に偏りが発生する点ですが、重金属等の特異点が発生し、基準値を超過した場合は出荷を停止できる製品管理手法の構築も行っています。
開発者からの浜通り復興に向けたメッセージ
本事業により福島県内で発生する多種多様の石炭灰 の安定した再資源化が可能となり、浜通りの土木工事へリサイクル資材を安定供給したいと考えています。浜通りの廃棄物を復興資材へ生まれ変わらせる事で地域の復興を支援したいです。当社の製品を様々な工事で利用いただける事を願っております。
事業者の連絡先
福島エコクリート株式会社
福島県南相馬市小高区女場字猿田1番地 23
TEL : 0244-26-4198( 担当 : 製造技術部 課長 ( 品質管理担当) 堀川剛利)
MAIL : horikawa@fukushima-ec.com