高アルカリ性製品製造時に使用可能な耐衝撃性の高いパレットの開発 

当社は製造ラインにて約 1600 枚のパレットを使用しています。パレットはアルカリ性の原料に触れるだけでなく温度変化や強い衝撃を受ける環境下にあり、劣化が早い事が課題です。現パレットは海外製品であり調達に時間とコストが掛かるなどの課題もあり、県内で調達可能な高耐久性パレットの開発を目指します。

福島県内で調達可能かつ同等製品と比較して安価な高耐久性パレットを、耐用年数 10 年以上かつ 5 万円未満を目標として開発し、当社が利用する事で実績を示し、浜通り地域で検討されている同業者を支援します。また高負荷環境下におけるパレット利用者へ本製品の活用を提案します。

浜通り地域への経済波及効果（見込み）

実用化した技術を用いて県内化学品製造業者と連携し当社が約 2,000 枚を調達します(約 1.5 億円)。同時に浜通りで事業化を検討している他社の 砕石製造業に当社システムと併せて利用を提案し、新規事業を誘致します (パレットのみ約 5,000 万円 /1 案件)。また当社の利用実績を基にインター ロッキングブロック製造等への導入を提案します(約 100 ~ 1,000 万円/1案件)。

これまでに得られた成果

福島県内パレットメーカー及び東北大学と共同で当社の負荷環境測定から開始し、耐荷重性と耐薬品性に優れかつ既存のパレットより経済性があり、開発費を含めて 5 万円程度となる素材の選定を実施しました。それら素材を用いて試作品 を作成し、2 日間の両端保持で最大変形たわみが当社要求値以下(1 ~ 2mm)となる素材の組み合わせを決定しました。 現在は 2 作目の試作パレットを製造し、実機環境下で耐久試験を実施しています。

開発者からの浜通り復興に向けたメッセージ

浜通り地域は日本でも有数の石炭火力発電所の偏在地域です。その廃棄物である石炭灰を有価物に再生する事業は地域の廃棄物削減やリサイクルという観点からも重要と思います。石炭灰を原料として有効活用する事業を浜通り地域に呼び込めるような品質と経済性に優れたパレット素材開発を目指します。