エネルギー・環境・リサイクル
総合リサイクルセンターの処理スキーム開発
事業計画
総合リサイクルセンターの処理スキーム開発
処理や効率的な資源回収が困難な、1)リチウムイオン電池、2)太陽電池パネル、3)小型家電、4)廃カーボン繊維強化プラスティック(CFRP)を総合的にリサイクルできるスキームの開発に取り組む。
実施期間
2016-2018
実用化開発場所
南相馬市
連携自治体
ー
現状
先端素材・製品は、各々リサイクルするのに困難な課題がある。
1)リチウムイオン電池においては、安易な解体・破砕処理を行うと、電解液の漏洩や発火・爆発・感電事故を誘発する。
2)太陽電池パネルは、将来的に大量排出されることとなる。このとき、重量の大部分を占めるガラスとセルの分離技術と効率的回収、再利用スキームの確立が課題となる。
3)小型家電においては、収集運搬ネットワーク構築とともに、適切な解体方法の模索および効率の良い貴金属およびレアメタルの回収方法が課題である。
4)CFRPについては、その耐久性や強度から有効なリサイクル策が無いのか現状である。
実用化後の事業化目標
・本実証事業により、スマートエコパーク構想で期待されている核となる総合リサイクルセンターの礎が形成され、福島県浜通りへの新たな産業集積基盤の構築が可能となる。
・2020年までには、総合リサイクルセンターの機能を果たすように取り組み、実際にリサイクル事業を開始することを目指す。
実用化開発のポイント
・リチウムイオン電池のマテリアルリサイクルスキームの確立。
・太陽電池パネルの貴金属回収やガラス活用を含めた完全リサイクルスキーム。
・小型家電の回収スキームの構築と資源の回収効率最大化。
・CFRP 粉体燃料化技術。
開発技術の先進性
・選別法の種々組み合わせによる好適な運転条件の探索等を行う。
・処理困難な対象物には、前処理に、加熱工程(焙焼・加熱脆化)を組み入れることにより効率的な分離やリサイクル用途の向上を可能とする。
浜通り地域への経済波及効果(見込み)
・産業集積を実現することにより雇用(数十名程度と想定)を創出することができる。
・また、震災廃棄物や帰還時に発生する不要物等のリサイクル・適正処理の拠点となり、浜通り地区復興の礎として機能を果たす。
開発者から浜通り地域の復興に向けたメッセージ
動脈産業の状況を的確に捉え、新しく生まれる素材・商品を適切にリサイクルする技術を確保することは日本の技術全体を支える上で重要性が増し、静脈産業の責務となってきている。一方、震災後、福島県の産業構造は大きな変化を求められており、特に浜通り地区では復興の礎として新たな産業が必要である。
そこで、将来にむけて、浜通り地域に最新のリサイクル産業を集積したリサイクルコンビナートを創造することを目標としている。