エネルギー・環境・リサイクル

海を汚さない、新しい生分解性プラスチックの開発

事業計画

海を汚さない、新しい生分解性プラスチックの開発

私どもが日常に使用するプラスチックは年々消費量が高まっており、世界で3億トンにも達するともいわれています。そのうち、1千万トンほどは海洋に流出しているとの試算もあります。
この海洋に浮遊するプラスチックゴミによる海洋汚染はどんどん深刻になってきており、一部の国では規制も始まっています。クレハは、一般家庭で日常品に使用されたのち、万が一海洋に流れ出ても海を汚さない“生分解性プラスチック”を開発しています。

実施期間

2016-2018

実用化開発場所

いわき市

連携自治体

-

現状・背景

事業化に向けた品質とコストで生産可能な、生分解性プラスチックの工業的製造技術の確立を目指します。
生分解性プラスチックの用途に適合した加工技術の開発を目指します

研究(実用化)開発の目標

2020年ごろ、工場の立ち上げ、事業開始を目指します。
2023年ごろには、用途の拡大を見据えつつ収益化を目論みます。

研究(実用化)開発のポイント・先進性

開発中の生分解性プラスチックは重合反応により市販の工業原料から製造できますが、これまでは研究段階の方法しか報告されていませんでした。そのため、実用化・事業化にあたって工業的製造方法の確立は必須でした。クレハは重合反応を見直し、工業的な生産方法の開発に取り組みました。
海洋ゴミになりやすいプラスチックとして、洗顔剤などに用いられる0.3ミリ程度の微小プラスチック(スクラブ材)がありますが、それよりさらに超微小なプラスチック粒子も日常的に使用・消費されています。そこで、クレハは生分解性樹脂の超微小微粒子への加工技術開発に取り組みました。

浜通り地域への経済波及効果(見込み)

新規の環境適合性樹脂とそれを用いた商品化の研究開発及びそれらの生産活動をいわき市にて実施すると、雇用の拡大が図れ、経済活動の活性化へ貢献できます。
また、本生分解性プラスチックの原料について、浜通り地区の化学メーカーから調達の可能性を有しており、品質・コスト面で目標値に入ってくれば原料から製造まで拡げて浜通り地区の産業復興に寄与できます。

これまでに得られた成果

製造装置に原料を連続的に投じ、反応条件を制御することで安定的に生分解性プラスチックを製造する技術を確立しました。これにより事業化する際の必要量に応じたスケールアップが可能となります。
超微小なプラスチック粒子の製造法を開発しました。これにより、ユーザーでの評価が可能となり、事業化検討に向け大きく前進しました。

開発者からの浜通り復興に向けたメッセージ

①太平洋に面している浜通りでは、海を大事にした研究や産業が発展する素地があると思っています。皆さんの熱い思いで発展させていきましょう。
②プラント建設や運転では、機械や電機の技術者も必要です。化学に強いクレハですが、機械や電機に強い人材にも期待します。また、原料面で協力していただける企業様とは一緒に浜通りを盛り上げていきましょう!

事業者の連絡先

株式会社クレハ