エネルギー・環境・リサイクル
環境配慮型合成樹脂製造プロセスの開発
事業計画
環境配慮型合成樹脂製造プロセスの開発
現状の合成樹脂の製造において必ずしも原材料や熱エネルギーが効率的に利用されているとはいえません。
本検討では、現行プロセスと比較し、原材料や熱エネルギーをリサイクルすることにより環境負荷が小さく、かつ生産性を大幅に向上させることにより製造コストの低減が可能な環境配慮型合成樹脂製造プロセスの実証開発を目指しています。
実施期間
2016-2018
実用化開発場所
いわき市
連携自治体
-
現状・背景
合成樹脂の製造において、未反応の原料はエネルギーを投入し無害化して廃棄処分したり、原料を反応させるために多大なエネルギーを投入したりしており、現状では環境負荷の小さなプロセスとは言えません。
未反応原料のリサイクル、熱エネルギーの有効利用により環境負荷の小さいプロセスの確立を目指します。
研究(実用化)開発の目標
平成32年頃本補助事業で得られた知見を活用して株式会社クレハいわき事業所内に新プラント建設。
新プラントの生産規模は、2,000t/y~10,000t/y程度を、プラントフル稼働後の売上規模は50億円/y~100億円/y程度を想定。また、50名程度の雇用の拡大を見込んでいます。
研究(実用化)開発のポイント・先進性
本検討の対象としている合成樹脂は、現状では海外の競合企業も含めて類似の製造プロセスで製造されています。本検討の環境配慮型合成樹脂製造プロセスが完成すれば、環境に配慮したプロセスで、かつ生産性が現行プロセスより大幅に優れ競争力の高い世界初のプロセスとなります。
自動車等の移動体において、金属を合成樹脂に代替して軽量化することで省エネルギーに貢献しますが、本プロセスにより合成樹脂が安価に供給できるようになれば、さらに金属から合成樹脂への代替が進行し、省エネルギーおよび炭酸ガスや有害排気ガスの排出量削減に貢するようになります。程度の雇用の拡大を見込んでいます。
浜通り地域への経済波及効果(見込み)
本検討の環境配慮型合成樹脂製造プロセスは、コスト面においても海外競合企業に対して大幅に優位なものであり、国際的にも競争力を高められます。
本プロセスが実用化されると低価格で市場に供給可能となり、さらなる生産量の増大、すなわち製造プラントの増設に結び付くものと考えられます。
合成樹脂は、様々な製品に使用されており、広範な産業を支える基礎資材です。産業の基盤として、福島県浜通り地区に、世界的な合成樹脂の供給拠点を有する経済的な意味は大きいと考えます。
これまでに得られた成果
本プロセスをラボ、ベンチ、パイロットプラントと規模を大きくしながら実証を進めてきており、本プロセスの基本原理が、スケールアップしても有効であることが確認できました。
また、当初想定以上の生産性向上が達成できる目処を得ました。今後はパイロットプラントを用いて、商業プラント設計のために必要な各種データを取得していきます。
開発者からの浜通り復興に向けたメッセージ
「イノベーション・コースト構想」について、単に震災・原発事故からの復旧を目指すのではなく、イノベーションにより他地域にない発展を目指すものであり、大いに期待しています。
弊社も本検討を通じて「イノベーション・コースト構想」に貢献し、地域と共に発展したいと願っています。