廃炉
炉外汎用廃炉用ロボットの開発
事業計画
炉外汎用廃炉用ロボットの開発
福島第一原子力発電所の廃炉に向けて発生する、原子炉建屋内などの線量の高い場所での不要物撤去作業に資する、遠隔操作性・耐放射線性・メンテナンス性などを兼ね備えた、幅広い作業に適用可能なロボットを開発します。
実施期間
2017-2019
実用化開発場所
<株式会社 IHI >いわき市 <東京パワーテクノロジー株式会社>大熊町
連携自治体
-
現状・背景
福島第一原子力発電所の廃炉に向け、今後建屋内の不要物撤去作業が必要となります。
建屋内は高線量であり、作業員の被ばく線量を考慮すると遠隔操作ロボットによる作業が必要となります。
不要物撤去作業を始めとする多様な作業に向け、汎用的に作業をこなす能力をもつ遠隔操作ロボットが求められます。
研究(実用化)開発の目標
将来的には、福島第一原子力発電所の建屋内不要物撤去作業のみではなく、災害現場における救助・復旧・調査等、より多様な作業が求められる現場へも適用範囲を拡大していきます。
研究(実用化)開発のポイント・先進性
【開発のポイント】
⇒一般産業用ロボット及び工具をベースに、多機能、汎用性をもつ操作性のよいロボットを開発し、高放射線環境下で人の代替としての作業が行えるロボットを目指します。
⇒現地ニーズの調査により、ロボットの長期使用に向けたメンテナンス方法を検討します。
【開発化の先進性】
⇒多機能、汎用性をもち、1台で多目的に対応可能
⇒遠隔操作性、高い操作性をもち、作業員の被ばく線量低減に貢献可能
⇒メンテナンス性が高く、長期使用が可能
浜通り地域への経済波及効果(見込み)
■経済的な効果
本ロボットの開発、事業化により、ロボットの運用やメンテナンス作業において、継続的に10~20人程度、先端工具などの製作に5人程度の雇用が見込まれます。事業拡大により、最終的には年間およそ10億円の売り上げを目標としています。
■地域協力会社との共同開発
先端工具の製作、ロボットのメンテナンスなどを通し、協力して技術を開発するとともに、連携企業や地域協力会社で共有しさらに発展させます。
これまでに得られた成果
■油圧カッターの製作
ロボットでの多様な作業をめざし、今年度はロボットに把持させる先端工具として油圧カッターを製作しました。開発した油圧カッターは、ロボットによる把持、操作が可能であり、油の漏えいを防止する機能、および油の漏えいを検知する機能を持つなど、現場への適用が可能なものです。
■現地適用先へのニーズの確認
廃炉実現に向けた課題・ニーズを収集し、ロボットに求められる機能を整理すると共に、現地に適用した際のロボット保守メンテナンスの実現に向けて、必要な要求事項を確認しました。
開発者からの浜通り復興に向けたメッセージ
本実用化開発の成功、事業化により、以下の達成を見込んでおります。
⇒1台のロボットで多岐にわたる作業を実施させることで、福島廃炉作業の効率化を図ります。
⇒福島廃炉作業への適用時、線量の低い場所から遠隔操作によりロボットに作業させることで、作業員の被ばくを低減させることが可能になります。
上記の取り組みにあたっては、特にロボット運用と補修を迅速に対応できる、電気技術、油圧技術等を保有する地域協力会社と連携ができればと考えています。