廃炉
「放射線遮蔽型ウエアラブル・ユニフォーム」の実用化に向けた商品開発による、原発廃炉作業の迅速化・効率化と快適性・安全性の向上
事業計画
「放射線遮蔽型ウエアラブル・ユニフォーム」の実用化に向けた商品開発による、原発廃炉作業の迅速化・効率化と快適性・安全性の向上
福島復興の見える化を加速化するために原発廃炉作業の迅速化・効率化と快適性・安全性の向上を目的としたユニフォームとセンシング、モニタリング、コミュニケーション(通信)技術を融合させた「放射線遮蔽型ウエアラブル・ユニフォーム」の実用化に向けた商品開発事業。福島県内を走る除染土壌運搬のトラックの接近を作業者に知らせる3軸センサー搭載のカラーコーンも開発した。作業者の位置や健康状態をプラットフォームで一元監視できる。
実施期間
2017
実用化開発場所
南相馬市
連携自治体
-
現状・背景
東日本大震災からの原発廃炉スケジュールにも大幅な遅れが予想される中で、国内外に福島復興の見える化を加速するためには原発廃炉作業従事者や、中間貯蔵施設への放射性汚染物の移動等の作業従事者の作業効率の向上を具現化する新たな作業ツールの開発技術の商品化、実用化、実業化が必須です。
研究(実用化)開発の目標
第1フェーズ販売先:原発廃炉技術者・同左警備員、誘導員等
第2フェーズ販売先:フクシマから生まれた「緊急放射線災害発災時の常備品」として全国電力会社、国県市町村緊急災害担当部局等
平成30年度 標売上高 52百万円
直接新規雇用者数 10名
平成31年度 目標売上高 700百万円
直接新規雇用者数 50名
研究(実用化)開発のポイント・先進性
①新遮蔽服
遮蔽素材(タグステン)を分子レベルで繊維に練り込むことで、既存遮蔽服の4分の1の厚みながらも同一の遮蔽性能を有します。遮蔽服の厚みの軽減により作業性・稼働性の向上が図られます。
②ウエアラルブル・ユニフォーム
センシング・モニタリング・コミュニケーション(通信)技術・機能を付加したユニフォーム。今回開発したベストを着用し、必要センシングをした際には着用者へ光と振動で告知します。遮蔽服とウエアラブルが融合した商品は現在存在しません。
浜通り地域への経済波及効果(見込み)
今般の特許技術や必要技術を集約し、最終的には製造・販売拠点を浜通りに設けることで、地域の産業振興に寄与したいです。
また、放射線・除染作業促進の技術開発・商品化・製造・販売を一気通貫に行う企業、もしくはコンソーシアムの創発に、浜通りエリアにおける新たなイノベーティブな産業モデルの構築も可能化します。
これまでに得られた成果
■放射線遮蔽服
タングステン練り込み生地により、既存従来遮蔽服よりも厚さを4分の1に軽減。
放射線遮蔽性能についても、韓国国家機関での照射試験において10%の遮蔽性能実現。
■ウエアラブル・ユニフォーム
①危険予知機能、②転倒感知機能、③バイタルサインセンシング機能、④外気温上昇感知機能、⑤指定時間経過通知機能をベスト及びインナーニットを着用するだけで必要情報が一つのプラットフォーム上で管理可能。また、着用者へも光と震動で告知。
開発者からの浜通り復興に向けたメッセージ
原発の廃炉作業、中間処理施設への除染土壌運搬に関する作業従事者の安全性、快適性、作業効率性を担保するウエアラブル・ユニフォームに必要な特許技術や必要技術を集約化し、最終的には、製造・販売拠点を浜通りに設けることで、地域の産業復興に寄与したいです。