廃炉

様々な形状の放射線測定の実現と作業環境負荷の軽減

事業計画

放射線スクリーニングにおける被測定物の形状特定並びにロボットによる自動測定装置

物品の形状認識システムから得た3D形状情報を反映するロボットが、複数のセンサー機能と緻密な放射線測定器との組み合わせにより高精度な動作を実現します。原子力発電施設等、放射線管理区域における資機材等の搬出時に様々な形状の資機材に実施する放射線スクリーニング業務の測定時間短縮による経済効果並びに人的負担の軽減を目的として開発に取り組みます。

実施期間

2020

実用化開発場所

いわき市

連携自治体

-

現状・背景

放射線管理区域では資材、機械器具及び廃棄物等を施設外に持ち出す際に作業員がハンディ放射線測定装置でゆっくり被測定物表面のスクリーニングをします。長時間不安定な体勢並びに被測定物に高い放射線量であった場合、被曝の危険も有ります。健康負荷と多人数分散対応による人件費負担の課題が生じています。

研究(実用化)開発の目標

放射線管理区域において、車両や資材、廃棄物等の搬出には、緻密なスクリーニング作業が不可欠です。多様な形状に対応する精密な動作のロボットによる放射線測定を行うことで、これまで手作業で行っていた作業者の安全と健康はもちろん、測定時間の短縮と正確な測定、人件費の低減を目標とします。

研究(実用化)開発のポイント・先進性

双葉町の中間貯蔵施設内で稼働する車両放射線測定装置を開発、製作を行った実績と知見をもとに、多軸ロボットによる放射線測定を行います。具体的には、大型プラスチックシンチレータを搭載した多軸ロボットと連動し、様々な被測定物の正面、背面、右側面、左側面、上面、底面の各6方向の形状認識技術を用います。この形状認識システムをロボットの動作プログラムヘの置き換えを可能にするシステム開発と子細形状部を測定可能とする測定装置の開発を行います。本開発では、多軸ロボットによる放射線測定システムとして開発実績のある特許技術を活用します。

浜通り地域への経済波及効果(見込み)

2019年7月に発表された、福島第1原子力発電所、同第2原子力発電所の廃炉に向けた基本方針により増加するであろうスクリーニング業務の効率化が期待されます。
本開発の事業化により、原子力発電所関連企業を対象に、令和5年には10億円の売上と10名ほどの新規雇用を計画しております。

これまでに得られた成果

●特許出願
被測定物形状を画像撮影をし、画像から形状を現す図形データ化処理後、同図形データを一定の座標上に3D形状を示す軸情報と位置情報として配置しました。その座標上の被測定物形状情報を他情報とともに纏め、装置全体の統合システムに送り、ロボット動作コントロールシステムが前記座標と同形状情報を受け取りロボットの動作情報とするシステムを開発いたしました。

開発者からの浜通り復興に向けたメッセージ

放射線管理区域を広範囲に有する施設等の作業に用いる資材、機械器具は作業後に搬出するため放射線測定対象となります。測定対象物量と測定時間のバランス調整が実施企業の経済損失、測定作業員増員に関わります。ロボットによる放射線測定装置を用い測定時間短縮と作業負荷並びに経済負荷改善等課題の解決を実現します。

事業者の連絡先

ふたばロボット株式会社

福島県双葉郡楢葉町大字北田字仏坊45-1

TEL : 0240-23-6439(担当:坂井良治)

MAIL : r-sakai@futaba-robot.com