医療関連

疾患モデル提供による創薬・医療への貢献と新規バイオビジネス開発

事業計画

新ゲノム改変技術による疾患モデル細胞・動物の実用化開発

近年見いだされたゲノム編集技術により迅速簡便にゲノム情報を改変することが可能になりました。本事業では、創薬や新規治療開発のため、疾患モデル細胞・動物作成技術を有する株式会社セツロテックと浜通り地域の薬学教育・研究所点である医療創生大学が共同で、新ゲノム改変技術による疾患モデル細胞・動物の実用化を目指した開発を行います。

実施期間

2018-2020

実用化開発場所

いわき市、南相馬市

連携自治体

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現状・背景

製薬会社の新薬開発にとって適切な疾患モデルを構築することは創薬への近道です。近年ゲノム編集技術の進展により、遺伝子改変動物の作製は安価かつ迅速(3か月)な作製が可能となりました。従来の疾患モデル動物・細胞株種は限られており、かつ高価です。本事業で活用する新ゲノム編集技術はこれらの諸問題を解決します。

研究(実用化)開発の目標

本事業終了の2021年2月までに、本事業実施による疾患モデル培養細胞株・動物開発研究技術を浜通りで確立します。更に研究開発事業継続により、高度専門家の集積と定着を図ります。平行して確立した技術を基に疾患モデル生産拠点の確立を目指し、生産に必要な多数の技術員の新規雇用を図ります。

研究(実用化)開発のポイント・先進性

疾患モデル細胞・動物の開発において、製薬会社には次のようなニーズがあります。
●ある疾患において、原因遺伝子に複数のSNPsがみられるとき、網羅的に既知のヒトSNPsと同様の変異をマウスホモログ遺伝子に導入し、ヒト疾患との相同性を評価したい。
●ある疾患に特異的なSNPsを抽出し、網羅的にヒトSNPsを導入したマウスの系統・細胞株を作出し、ヒト疾患と相同な疾患モデルマウスを得たい。
これらのニーズに対し、バイオインフォマティクスにより未知の疾患候補遺伝子や疾患候補SNPsを抽出し、モデル細胞・動物を作って解析をすることで、新たな疾患ターゲットを見つけることができ、治療の可能性を検討できるようになります。

浜通り地域への経済波及効果(見込み)

疾患モデル細胞・動物の開発拠点と生産工場を浜通り地域に設立することになれば、必要な人材の新規雇用のみならず地域内の専門商社や施設メンテナンス会社などの周辺産業にも効果があるものと見込まれます。また、新規の人材採用は、医療創生大学からの高度専門家の採用のみならず、地域外からの人材の流入と交流を促していくことになります。

これまでに得られた成果

セツロテックの新規ゲノム編集技術により、疾患モデル細胞株と動物を開発するために必要な設備を整備しました。複数の細胞株において遺伝子変異の導入に成功し、現在疾患モデル細胞株としての有用性を検討しています。同様に遺伝子改変マウスの変異表現系を解析しており、疾患モデル動物系統の樹立に向け検討しています。

開発者からの浜通り復興に向けたメッセージ

福島県浜通り地域は、東日本大震災後に高齢化が進展し、罹患リスクは相対的に高まっています。これらの疾患に対し、主に遺伝要因に着目し、新たな疾患モデルの抽出法を開発していきます。本事業計画により疾患モデルマウス・細胞の製造・開発拠点とし、地域経済の復興に貢献していきます。

事業者の連絡先

学校法人医療創生大学 / 株式会社セツロテック

̶東京都千代田区内幸町1-1-1 / ̶徳島県徳島市蔵本町3丁目18-15 藤井節郎記念医科学センター

TEL : 0246-29-7319(担当:鈴木久仁恵) / 088-633-0233(担当:矢野美和)

MAIL : ̶soumu@isu.ac.jp / ̶yano@setsurotech.com