極初期リンパ節がん、乳がん診断を可能な近接撮像型高感度次世代フレキシブル小型PET装置

PETは悪性腫瘍の機能診断ができ、その有効性から近年急に普及が進んでおり、7.5％の成長率とともに2027年時点で6,500億円の市場規模が予測されています。当社で販売中の乳房用PETの解像度を向上することで、早期がんの発見が可能になり、患者のQOLの飛躍的向上が見込まれます。

国産の世界最高性能の新規シンチレータ(Ce:GAGG)を使用し、軽量・薄型のSi半導体受光素子を組み合わせた、近接撮影が可能で1mm分解能を有する超高分解能フレキシブルPET装置の開発を目指します。本装置の販売により、浜通りの雇用増が期待されます。
※Ce:GAGG：セリウム添加ガドリニウムアルミニウムガリウムガーネット

浜通り地域への経済波及効果（見込み）

2027年時点で145台・101億円の売上を見込み、設備投資としては結晶製造装置、加工設備、検査設備、工場建屋を含め、25億円を投資して、年間250台までのPET装置製造に対応します。福島県浜通り地域での設備増設を計画しており、間接雇用数を含む新規創出雇用者数は2027年時点で累計51人を計画しています。

これまでに得られた成果

未来イメージング㈱では、東北大NICHeの指導で、1.45×1.45×15mmのGAGGで、50mm角のアレイを作製しました。MITで試作したデータ収集回路を、放射線医学総合研究所で性能評価したところ、空間分解能1.5mmが確認できました。日本医科大学での臨床試験結果を反映して装置の設計を行いました。

開発者からの浜通り復興に向けたメッセージ

浜通りでは、原発事故に伴う風評被害もあり、がんの罹患を心配する声があります。早期診断・早期治療により、治癒率が高くなることから、早期発見が重要になります。本装置使用により、短時間の検査で早期がんの発見が可能になりますので、QOLの向上と共に治療費の削減が期待できます。