医療関連
リズム歩行支援ロボットWalk-Mateの社会実装に向けての製品化モデル構築事業
事業計画
WALK-MATE ROBOT(ウォークメイトロボット)は、装着した人の歩くリズムに同調して歩行支援を行う装着型のロボットです。パーキンソン病などの患者を対象とした、ロボットの有効性評価試験や、製品化に向けた取り組みを進めています。
実施期間
2016-2018
実用化開発場所
南相馬市
連携自治体
-
現状・背景
パーキンソン病の場合、自らの運動リズムを生成する機能が失われ、筋力が衰えていなくても歩行が不安定になることがあります。歩行を安定するためにメトロノームの音などが合図として利用されていますが、開発中のロボットは歩行者自身のリズムと同調した、より自然なアシストを期待できます。
研究(実用化)開発の目標
事業終了後に販売が開始できるよう、プログラムの安定性のチェック、ユーザビリティーや製品としての安全性についての検討を重ね、医療機器対応といった品質保証に向けての準備を進めます。まずはデイケアやリハビリテーションに携わる通所施設からの普及を目指しています。
研究(実用化)開発のポイント・先進性
筋力を補助するのではなく、装着者に同調したリズムで歩行をアシストするというコンセプトにより、他の外骨格ロボットに比べて発揮する力が少ない代わりに、軽量で比較的安価・安全な装着型ロボットとなっています。モータがOFF の状態でもロボットの関節の柔らかさは保たれており(バックドライバビリティが高い)、スイッチを入れなくてもロボットが歩行動作を妨げることはありません。また、皮膚の電極を貼る等の特別なセッティングを必要としません。ロボットを着た後はスマートフォンから動作開始の指示を送り、歩くだけで自動的にアシストが開始されます。
浜通り地域への経済波及効果(見込み)
弊社の事業所がある南相馬市を中心に、ロボットの生産およびメンテナンスを行うサービスステーションの構築を目指しています。これに加えて、WALKMATE ROBOTを成功事例として、他の企業・製品を含めた浜通り地域が舞台となるロボットリハビリのサービスプラットフォームを育成することを目標としています。これらの活動を通じてロボット市場・関連サービス産業の育成が出来ると考えています。
これまでに得られた成果
パーキンソン病患者を対象としたロボットの試用が進められており、腕振りの大きさや歩幅などから活動量を大きくする効果を確かめています。また、健常高齢者を対象としたロボットの試用では、ロボットを装着する前に計測した通常の歩行に比べて、ロボットを装着した際の足の持ち上げ量が上昇しただけでなく、ロボットを脱いだ直後にもその傾向が残るということがありました。ロボットを着て数分歩くだけでも、運動学習を行える可能性が示されたと考えています。
開発者からの浜通り復興に向けたメッセージ
弊社は事業所のある南相馬市を中心として、浜通り地域および福島県でのロボットサービス産業の基盤を作り上げていきたいと考えています。弊社のWALK-MATE ROBOTに限らず、各企業の製品・事業を巻き込みながらサービスを提供する人、サービスを受ける人、それを取り持つ人のそれぞれの理解をお互いに深めて、地域の住民が当事者となることができるよう活動をして参ります。