医療関連

介護施設内運搬ロボットシステムの商用化とその社会実装

事業計画

間接業務を代替させることで、介護スタッフが直接的な介護・介助業務へ集中したいというロボットへのニーズに応え、シンプルなユーザーインターフェースで誰もが簡単に使える低コストの運搬ロボットを介護施設に導入することを目指します。

実施期間

2016-2018

実用化開発場所

南相馬市

連携自治体

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現状・背景

人手不足の中で間接業務(雑用)に時間が割かれていることで、サービスの低下が懸念されています。さらに、職員募集状況も芳しくありません。
当事業は介護スタッフの間接業務を減らし、入居者への直接的な介護行為に十分な時間を充当することによって介護サービスの質の向上・スタッフの負担軽減・雇用継続等を実現するためのロボット開発を行うことを目的としてスタートしました。

研究(実用化)開発の目標

3年間で導入実績や各種安全品質試験を積み上げたのち、生産の拡張と販売の拡張を行い、2020年までには年間200台の生産を行います。2025年には、生産を月産100台、年間1,200台に拡大していきます。

研究(実用化)開発のポイント・先進性

介護事業所では人手不足が顕著であり、市場規模としても大きく、各ロボットメーカーが参入を試みています。現状の他社のロボット・ロボットサービスは直接的な介護行為を支援するタイプのものがほとんどであり、移乗支援、排せつ支援など多岐にわたります。
ところが、実際の業務時間としては間接業務(雑用)が圧倒的に多いのが現状です。対人的なコミュニケーション要素や肉体的な支援と異なり、移動や記録、巡回といった一般的な支援であるため、費用対効果が明確に出せれば排せつ支援などと比べ費用面での導入障壁が低いと考えられます。
間接業務を支援するというコンセプトでの展示会出展などでは多くの反響があり、全国的な大規模事業者からの問い合わせも多く、現在、多数の介護施設を運営している介護施設業者と試験導入について、協議を重ねています。
さらに、間接業務という一般的な業務に注目したことで、介護施設のみならず、医療施設や福祉施設といった他の医療分野、さらには飲食や宿泊、観光と広い分野への適用可能性があり、大規模なフランチャイズ業者とサービス化について協議を重ね試験導入まで漕ぎつけています。

浜通り地域への経済波及効果(見込み)

浜通り地域に自社組立工場を設置し、2020年までには年間200台の生産を行います。雇用は、間接人員を含めて15名程度を計画しており、材料・外注などの調達においては地元企業へ1.3億円程度の発注を見込みます。2025年には、生産を月産100台、年間1,200台に拡大していきます。これにより雇用も30名程度、資材調達も4億円程度に拡大します。

これまでに得られた成果

RFID入りの反射板によってロボットの自己位置把握を行う自律移動技術を開発しました。この技術を用いて稼働中の介護施設において、洗濯物を運搬するなどの業務を代替するための実証実験を行った昨年度から、今年度は事業化に向けて試験や、昨年度に引き続き複数種複数台のロボットを連携させられるようなプラットフォームシステムの開発の仕上げにかかりました。リスクアセスメントの見直し、それに伴う仕様の変更等量産化に必要な体制を整えました。

開発者からの浜通り復興に向けたメッセージ

ロボットの量産化に向けて浜通り企業様の協力を仰ぎたいと思っています。本事業で開発するロボットは可能な限りシステムを公開し、移動台車部分のみならず、多くのパーツをオープンAPI化し、地元企業の皆様が簡単に自社開発アプリを載せてロボットサービスを立ち上げられるようにします。ロボットはソフトウエアの分担だけでも幾つかに分かれ、ハードウエアも同様です。皆様のお力を借りて、浜通り発のロボットサービス事業を量産したいと考えております。

事業者の連絡先

SOCIAL ROBOTICS株式会社