遺伝子多型に基づいた骨粗鬆症のテーラーメイド診療事業の研究開発

骨粗鬆症は骨折しやすくなるだけでなく、骨折することで身体全体の不調を招きます。治療法としては、食事療法・運動療法・薬物療法があるが、その効果には個人差が大きい事が知られています。そこで本事業では、この個体差と遺伝子多型についての研究および事業開発を行い、骨粗鬆症患者の個々人に最適なテーラーメイド治療法の開発が望まれています。

約1300万人の骨粗鬆症患者をターゲットに、個々人に最適なテーラーメイド抗骨粗鬆症治療情報の提供を目指します。その過程で、骨量や他の疾患に関する遺伝学的要因の解明とその実用化開発を更に進めるとともに、検査センターの拠点を置く福島県内に売上の一部が反映されます。また、検査需要の拡大に伴い、検査センターでの雇用創出にも繋がると期待できます。

浜通り地域への経済波及効果（見込み）

福島県浜通りは東日本大震災による３重被害により地域全体が急激に高齢化しているため、早急に骨健康を維持し、骨折—寝たきりを防ぐ方策が必要不可欠であり、本事業開発をまず福島県で実証を行うことで、福島県住民の医療・健康に大きく資する可能性があります。更に全国に普及を図る事で、本事業関連実用化例として産業的にも先導的な立場に立てます。更に本事業実施により、周辺のゲノム最新技術の習得や、実用化開発のための基盤研究体制の構築を通じ、新規課題開拓や新規雇用等の人材獲得等の波及効果が期待出来ます。

これまでに得られた成果

抗骨粗鬆症治療に関して報告されている遺伝子多型を解析するための、ゲノム解析システムと施設（ジェノタイピング検査センター）の整備はときわ会内でほぼ完了しました。またゲノム解析に必要な技術についても確認しました。現在診断アルゴリズムの開発を目指し、ヒト検体でのジェノタイピングの実装と骨量形態解析等を開始しました。

開発者からの浜通り復興に向けたメッセージ

浜通り地域で初のバイオベンチャーの事業化を目指し、ジーンクエストの連携支援の下、本事業の実施と発展により、浜通り地域から、国内のみならず海外にも本事業の成果を発信して行きます。その過程で浜通り地域や福島県内への人的産業的な還元を行います。更に本事業のノウハウを下敷きに、骨粗鬆症だけでなく、他の疾患にも個々人に最適なテーラーメイド治療情報の提供できる事業を展開したく、個々人に最適なテーラーメイド抗骨粗鬆症治療情報の提供を目指します。