医療関連

B-NET(Boron-Neutron Emission Tomography)診断装置の実用化開発

事業計画

Si(シリコン)に代わる半導体材料である、SiC(シリコンカーバイド)を使用した、半導体を応用して、これまでの製品では実現できなかった、高出力、高速スイッチング、高温動作が可能な高電圧パルス発生器や、高電圧直流電源などを開発しています。開発した電源装置を静電加速器と組み合わせて、SiC加速器中性子源を開発して中性子線による核医学診断装置や、放射線がん治療装置などを開発しています。

実施期間

2018-2019

実用化開発場所

楢葉町

連携自治体

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現状・背景

従来のPET診断装置で必要な薬剤の代わりにホウ素プローブを使用する事で、サイクロトロンやホットラボ等の高価な付帯設備が不要で、経済的・スペース的に導入が困難であった小規模な病院でも導入が見込めます。
結果として、検査可能な施設の拡大が見込め、検査費用の軽減にも繋がります。また、放射性薬剤を投与しないので、診断時の被ばく量を1/2以下に抑制できます。

研究(実用化)開発の目標

2020年度の最終的な成果目標は、B-NET診断装置の実用化開発です。
2年の補助事業期間に直接新規雇用として2名のエンジニアの新規雇用を計画し、すでに2名の直接新規雇用を実現した。更に管理面でも1名の新規雇用を実施しました。
売上においても、2020年に新規で1台の受注が15億円で決定した。今後、2~3台/年の出荷が出来る体制を構築します。

研究(実用化)開発のポイント・先進性

弊社が開発したSiC加速器中性子源を使用する事で、従来のような大規模な原子炉中性子源による、中性子照射設備ではなく、患者の周囲に複数のSiC加速器中性子源を配置し、中性子線による多門照射(複数方向からの中性子照射)が可能となる非常にコンパクトな中性子照射装置が実現できます。(図イラストご参照ください)
多門照射を行う事で、体の奥深くにある患部まで中性子線が届けられるようになり、開頭手術、開腹手術が不要なBNCTがん治療装置としても使用可能です。(BNCT:Boron Neutron Capture Therapy、中性子線を用いた放射線がん治療装置)

浜通り地域への経済波及効果(見込み)

平成29年1月の楢葉工場操業開始以降、32社の地元企業様と新規に取引をさせて頂きました。
平成30年度の補助事業において、浜通り地域での消費割合は、97%で消費額は4億8850万円の見込みです。平成31年度もイノベーション・コースト構想補助事業を中心に浜通り地区の地元企業様との新規取引先開拓及び、発注拡大を積極的に展開し、地元調達率向上を促進して参ります。
今後、更に浜通り地域の雇用促進、地元企業様への調達拡大を通して、震災前の活気ある浜通り復活に貢献したいと思います。

これまでに得られた成果

SiC-SBD(シリコンカーバイド製ショットキーバリアダイオード)を用いた高電圧ダイオードの開発に取り組み、1.2kV耐圧のSiC-SBDチップを20個直列接続することで24kV耐圧の小型ダイオードを開発しました。これにより従来のSi製ダイオードでは不可能な高周波CW(コッククロフト・ウォルトン)回路が実現できました。
すでに、弊社内評価において300kHz動作が確認できています。CW回路の高周波動作が可能になった事でコンデンサの小型化も可能となり、電源装置全体の小型化に大きく寄与します。

開発者からの浜通り復興に向けたメッセージ

弊社は、SiC半導体を応用した技術・製品を市場に供給し、医療、産業分野等の進化に貢献します。事業を発展させ地元雇用の拡大を図り、浜通り地域の復興に少しでもお役に立つ事ができれば嬉しく思います。
弊社の保有する最先端のSiCパワーエレクトロニクス技術を、お客様のニーズにあわせて、色々な形態(デバイス、モジュール、システム等)でお届けすることが可能です。
高電圧技術、大電流技術を必要とされる企業様、或は研究機関様がおられましたらソリューションをご提供させて頂きますので、情報交換させて頂けましたらましたら幸甚です。

事業者の連絡先

福島SiC応用技研株式会社