医療関連

作業支援用から医療・リハビリ用へ進化するマッスルスーツ応用型機器の開発

事業計画

マッスルスーツ応用型自立支援機器の実用化技術開発

累計6,000台以上を出荷しているマッスルスーツ®シリーズで培った機構設計・人工筋肉制御・機器製造に関する固有技術とノウハウ(コスト・品質信頼性・安全性・装着感など)を活かした応用製品である自立支援・機能訓練・可動域回復の各モデルに関する実用化開発を行ないます。本年度は、3ヵ年計画の初年度となります。

実施期間

2019-2021

実用化開発場所

南相馬市

連携自治体

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現状・背景

マッスルスーツ(エアー外部供給タイプ)の基本動作は、装着者の下半身に対して上半身を曲げる・起こすことです。この動きを適用することで装着者へのリハビリテーション効果が得られ、実際に多くの身体的改善事例が報告されており、多くの製品化ニーズをいただいております。

研究(実用化)開発の目標

軽量コンパクトで装着感の良いマッスルスーツ応用型リハビリテーション機器(マッスルスーツ機能訓練モデル)を実用化すること、並びに高い品質信頼性を有し、強い駆動力と柔軟性を兼ね備えた人工筋肉を使った自立支援機器(アクティブ歩行器など)を実用化することを目標としています。

研究(実用化)開発のポイント・先進性

実用化ニーズが高く、マッスルスーツで培った設計・製造技術、ノウハウが注入しやすい機器の実用化開発として3テーマを設定しています。それぞれ既存機をベースとして、医療・リハビリ現場でのニーズを取り込んで、製品化のための機能・性能・安全性の向上を図ります。
◆自立支援モデル開発:アクティブ歩行器(起立・歩行)
座った状態から自動で立ち上がり、歩行までできる機器です。
◆機能訓練モデル開発(姿勢矯正・歩行)
スクワットや前屈からの伸展運動と腿上げ運動を行なえる機器です。
◆可動域回復モデル開発(足首足指)
足首・足指の可動域回復を目的とした足首足指ストレッチ機器です。

浜通り地域への経済波及効果(見込み)

マッスルスーツの応用製品群の普及が進むことで、同シリーズの数量と品種数が拡大し、製造委託先である株式会社菊池製作所の南相馬工場における製造ライン規模拡大、稼働率向上が見込まれます。これにより大量生産・多品種生産に対応するため工場周辺地域での雇用の拡大と維持につながることが期待できます。また、機器の改善改良を継続するための技術者も必要となります。

これまでに得られた成果

◆自立支援モデル開発:アクティブ歩行器(起立・歩行)
①歩行訓練の機能性向上のため、脇腹吊上げ式から頭上免荷式に変更
②患者様の症状や回復レベルに適応させるため、腿部アシストのみに変更
◆機能訓練モデル開発(姿勢矯正・歩行)
軽量廉価モデルのマッスルスーツをベース機体として適用
◆可動域回復モデル開発(足首足指)
臨床患者への適用を目指し、内反足に対応

開発者からの浜通り復興に向けたメッセージ

この実用化開発の成功、事業化の達成により、マッスルスーツシリーズは労働・作業環境を改善する作業補助用ロボットであるだけでなく、リハビリテーションや医療分野へも適用できる、「人の自立を促すロボット」でもあることを実証して、浜通り地域からそれを全世界へ発信していきます。

事業者の連絡先

株式会社イノフィス

福島県福島市三河南町7-11 タカラビル103

TEL : 024-572-3133(担当:福島研究所 中川誠也)

MAIL : s-nakagawa@innophys.jp