AIにより超音波画像上で神経の位置及び穿刺経路を重畳表示するナビゲーションシステム

超音波診断装置を補助として活用することにより、神経、血管、周囲組織が超音波画像として視覚化され、神経ブロックの確実性が高まり、合併症予防・防止が可能となりましたが、超音波画像上で神経を描出することや針を神経近傍へ安全かつ正確に誘導することが難しく、結局医師の技量に大きく依存している状況にあります。

AIにより超音波画像上で腕神経叢の正しい位置および穿刺経路を立体画像として重畳表示する超音波ガイド下神経ブロック麻酔用ナビゲーションシステムを開発します。令和1年度では、超音波画像上で麻酔神経、血管、骨などの認識アルゴリズムを構築し、臨床による本提案システムの要求仕様を抽出します。

浜通り地域への経済波及効果（見込み）

製造委託先である株式会社菊池製作所南相馬工場における製造ライン規模拡大、稼働率向上により、大量生産・多品種生産に対応するため工場周辺地域での雇用の拡大と維持につながることが期待できます。令和４年度中に、医療教育機器の販売を開始し、令和５年度末に薬事法認定目指します。臨床試験を成功させることにより、超音波ガイド下神経ブロック麻酔用ナビゲーションシステムの有意性を広め販売拡大に繋げます。令和７年度には売上50台以上を目指します。

これまでに得られた成果

既開発の「超音波画像を患部に３D重畳表示する機器」にAIソフトとAIハードを付加することにより「神経ブロック麻酔用AIナビゲーション機能」を実現し、新たなビジネスに結び付けます。令和4年出荷を目指します。令和元年度ではDeep Learnigによる麻酔神経、血管、骨などの認識アルゴリズムおよびシンボル化による診断ルール抽出とDeep Learnigへの埋め込みの開発を行います。

開発者からの浜通り復興に向けたメッセージ

地元企業としてイノベーション・コースト構想にも強い関心を持っており、開発医療システムの生産ラインを南相馬工場に構築・事業化していくことで、被災地の産業創出や地域雇用の創出をおこない、浜通り地域を中心とした近隣地域の復興に寄与することを目指しています。