医療関連
福島県内100%部品調達に向けた移乗介助・移動支援・見守り支援機器実用化開発
事業計画
福島県内100%部品調達に向けた移乗介助・移動支援・見守り支援機器実用化開発
アイザックでは平成24年の設立以来、病院・介護施設と連携しながら【医療・介護ロボット】の開発を行っています。本事業では、ベッドから車椅子への移乗、さらにはトイレへの移乗を、誰でも簡単に、そして安全に行うことができる、移乗介助・移動支援機器を開発しています。あわせて、手首につけたセンサにより取得したバイタル情報をもとに、利用者の健康状態をモニタリングし、万が一の時に救命依頼を行う見守り支援機器の開発を行っています。
実施期間
2016-2018
実用化開発場所
いわき市
連携自治体
-
現状・背景
2025年には団塊の世代全てが75歳以上の高齢者となり、超高齢化社会を迎える我が国において、介護現場の人手不足は介護側の高齢化とも相まって、一層深刻化することが予想されます。弊社では特に介護負担の大きい、移乗介助・見守り支援における介護業務の効率化、人手不足の解消をテーマに開発を行っています。
研究(実用化)開発の目標
■販売売上
2018年度11月頃より県内を中心に販売を開始し、初年度35台を目標に営業活動を実施します。2020年度より本格的拡販を行います。
■雇用計画
2018年度11月以降:量産を開始し、月産10台の生産計画
新規雇用2名(営業2名)
2019年度:月産15台の生産計画
新規雇用5名(製造要員5名)
研究(実用化)開発のポイント・先進性
移乗介助・移動支援機器の開発では、負担の大きな介助動作に対し、センサやアクチュエータ制御等のロボット要素技術を用いることで、より安全に、介助者負担の少ない移乗を実現しようとしています。加えて、被介助者の尊厳を守るために、単なる自動化ではなく、人の手による介助を補助する機器の開発を目指しています。
見守り支援機器の開発では、利用者自らがボタンを押すなどして、救命依頼を行う従来の方法とは異なり、脈波や体温等のバイタル情報を常時モニタリングし、利用者が重篤な状態に陥ったと判断した際には、利用者に代わり自動的に救命依頼を行うシステムを実現しようとしています。
浜通り地域への経済波及効果(見込み)
本事業で開発している機器はロボット技術を活用しています。ロボット産業は自動車産業と同様に裾野が広く、調達部財等は多種多様です。将来的に部材等の調達は浜通り地域を主とした福島県内企業より100%調達を目指します。
また、本事業に従事する技術者は、可能な限り県内から募集を行い、県内における人材育成を行います。さらに、県外からもロボット技術者の採用などで人材を呼び込み、事業拡大を行うことで、浜通り地域における製造業・ロボット産業の拡大に貢献します。
これまでに得られた成果
①移乗・移動機器2次試作機
昨年度の1次試作機に比べ、移乗介助性能に特化したものとなっております。
②遠隔操作技術通信モジュール2次試作機
昨年度の1次試作機をもとに、スマートフォンやタブレット端末等で遠隔操作が可能となりました。被介助者が機器の操作を行うことが困難な場合でも、介助者が代わりに操作することができます。
③バイタルデータ通信システム量産試作機
指先に装着していたセンサの一部を手首で取得可能なものに改変することで、利用者の生活活動の制限を可能な限り減らしました。
開発者からの浜通り復興に向けたメッセージ
東日本大震災そして、原子力災害が起きたあの時、私も福島県にいました。あれから7年が過ぎようとしていますが、今日まで、復興への歩みは途絶えることなく、優秀な人材や技術が次々と浜通り地域に集まってきています。新しい技術を持った企業と、地元企業が協業し合うことで、ますます復興が加速してゆくことに期待しています。