医療関連
在宅医療・救急医療における医療用冷陰極X線管および携帯型冷陰極X線源の開発
事業計画
在宅医療・救急医療における医療用冷陰極X線管および携帯型冷陰極X線源の開発
小型軽量で持ち運びでき、且つ乾電池で動くカーボンナノ構造体を用いた医療用冷陰極X線管を開発し、これにより予熱なくすぐにX線撮影ができる省電力で長寿命な画期的医療用Ⅹ線発生装置の製品化を実現します。
これができると、在宅医療の際に、患者様のいる所ですぐにX線撮影でき、その場で患部の診断、病状の進行具合を判断することができ、早期発見・早期治療ができ、医療分野への貢献は大きいです。
実施期間
2017-2019
実用化開発場所
いわき市
連携自治体
-
現状・背景
①カーボンナノ構造体冷陰極電子源の評価技術の開発
②冷陰極Ⅹ線管の評価技術の開発
③冷陰極Ⅹ線管の品質評価技術の開発
④携帯型冷陰極Ⅹ線発生装置の開発
⑤携帯用Ⅹ線発生装置の上市に向けた装置の評価試験とPMDAでの薬事承認取得申請
研究(実用化)開発の目標
ターゲットは、在宅医療、地方医療、災害地、被災地での現場医療を普及させます。
販売方法は、有力な製造販売業者とのマッチングを行い、薬事承認に向けて早期から準備して行きます。3年後に上市することを目標に開発を進めています。
研究(実用化)開発のポイント・先進性
従来の一般的なX線管は、電子源に熱陰極(フィラメント)を用いてX線を放射させる構造を採用しています。この様式においては、熱電子の放出のために、電子源の温度維持が必要であることから、連続的な電力供給のため消費電力も大きくなります。また、安定したX線を使用するまでに予備加熱を必要とします。
一方、冷陰極X線管は、独自のCVD成膜方法で製造(特許取得)した、カーボンナノ構造体から成る電子源を採用しています。このX線管は、電子源の加熱を必要としません。このことから、消費電力を低く抑えることができ、電源を切ればX線が出ないため管理が容易です。また、予備加熱が不要であることから、即座に撮影ができ、乾電池程度の電源にて使用が可能です。
さらに、一般的なX線管は熱陰極電子源が熱電子を散乱放射し、綺麗な画像データを得るため、患者に大きなX線量を照射することが必要になります。しかし、冷陰極X線管は電界放出電子源を用いてパルス照射により、小さいX線照射線量で、綺麗な画像データを得ることができます。
浜通り地域への経済波及効果(見込み)
弊社は本社/工場/研究所ともに福島県いわき市に立地しており、本事業の採択は福島県の地域復興に関して雇用確保の側面から有用です。3か年での事業計画で、設備投資2億円、新規雇用6名を計画しています。
これまでに得られた成果
開発した冷陰極X線管の電極部分はピュアロン独自のプラズマCVD成膜方法で成膜(特許取得)した、ナノカーボンの電子源を採用しています。このX線管は、電子源の加熱が不要であるため消費電力を低く抑えることができます(電源を切ればX線が出ないため管理が容易です)。予備加熱が不要であることから、即座に撮影ができ、乾電池程度の電源にて使用が可能です。すでに産業用としては商品化しています。
開発者からの浜通り復興に向けたメッセージ
現在、癌は2人に1人が発症する病気となっており、その早期発見、早期治療が望まれています。現在行われている健診の他に在宅医療および介護施設、さらに過疎地や被災地などでのX線撮影、診断装置のニーズが急速に高まっているなかで、福島県浜通り地方において、今までになかった新たな技術を用いた先進的な医療機器開発を進めてまいります。