ロボット・ドローン
自律航行する水中ドローンでインフラ点検の労力を軽減する
事業計画
産業用水中ドローンのコンポーネントおよび水中版「フライトコントローラー」システムの開発
産業用水中ドローンの普及拡大に必要不可欠である製造性の高い主要コンポーネントおよび音響センシングにより自律制御する水中版の「フライトコントローラー」システムの開発を行います。今年度は一部の主要コンポーネントの試作開発および自律航行システムの検証を福島ロボットテストフィールドで行います。
実施期間
2020-2022
実用化開発場所
南相馬市
連携自治体
-
現状・背景
空気中と比較して制約が多い水中でのインフラ点検は、熟練の潜水士か手動操作の水中ドローンにより行われます。音響センシングにより自律航行する水中ドローンのフライトコントローラーおよび主要コンポーネントを提供することで、潜水士の労力を軽減し、ドローンオペレーターによる点検効率を向上します。
研究(実用化)開発の目標
ダムや港湾等の垂直面、海底面等について、点検の労力を削減できるフライトコントローラーシステムおよび主要コンポーネントを実装することで、より安全・効率的な水中インフラ点検を実現し、これらを用いた製品を福島で量産することで、浜通り地域の産業復興に貢献します。
研究(実用化)開発のポイント・先進性
水中での長期運用に耐える品質を持ちながら調達性・コストに優れる、産業用水中ドローンに適用可能な主要コンポーネントが世界的に存在しません。より実用的な品質のコンポーネントを獲得することで水中ドローンの製造性・メンテナンス性が向上します。
また、一定重量の音響装置等を搭載できる余地があり、電波が届かない水中において光ファイバーケーブルを通して大容量データの通信ができる当社製品の構造的優位性を活かし、点検対象物に近接して映像による現況確認が可能な自律航行機能を搭載することで、ダム堤体や港湾岸壁等を維持管理するにあたって基礎となる現況データを安全・効率的に収集することが可能となります。
浜通り地域への経済波及効果(見込み)
浜通り地域における地域企業の売上向上、雇用の創出が見込まれます。
●水中ドローンの生産台数増加に伴い、提携工場における売上増加、雇用の拡大が見込まれます。
●コンポーネントの製造についても周辺で行う企業集積が形成される可能性があります。
●浜通り地域は世界有数のロボットテストフィールドを有するため、上記を行う地の利があります。
これまでに得られた成果
本事業に採択されたことがきっかけとなり、長年着手できなかったコンポーネント開発および自律航行システムの開発に着手することができました。また、南相馬拠点を通じて「ロボット・航空宇宙フェスタふくしま2020」に出展したことにより、周辺企業の皆様との交流がスタートいたしました。事業開始から間もないため、具体的な成果は今後上がるものと考えます。
開発者からの浜通り復興に向けたメッセージ
日本発の水中ドローンが浜通りで強みを獲得し、Madein Fukushimaの水中ドローンが世界に向けて発信される、そのような可能性が浜通りにあると考えます。まだ見ぬ水中の世界に挑む活動を、地域の皆様とご一緒できれば幸いです。
事業者の連絡先
株式会社FullDepth
茨城県つくば市天王台1-1-1 筑波大学産学リエゾン共同研究センター棟
TEL : 029-846-5533(担当:宮村南)
MAIL : bo@fulldepth.co.jp