ロボット・ドローン
ドローンおよび無人地上車輌による害獣対策と物資輸送サポート技術の開発
事業計画
私たちはドローンを含めたすべての製品とソリューション提案によって「人間には危険な仕事」「人間に負担が重い仕事」「多くの人間、時間を必要とする仕事」を、ロボティクス技術に置き換えていきます。
これからの日本は過疎化、高齢化が社会的に深刻な問題となっていきます。輝かしい未来を創成するため、社会が必要とする高度な道具を提供するソーシャル・ロボティクス企業を目指します。
実施期間
2016-2018
実用化開発場所
南相馬市、浪江町
連携自治体
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現状・背景
東日本大震災による福島第一原発の事故で放射性物質が拡散し、浜通りでは原子炉から20㎞~30㎞の住民約10万人が避難を余儀なくされました。無人の街には野生のイノシシが増加、人家内部にも侵入しました。避難勧告が徐々に解除された地区に住民が帰還するためには、徘徊するイノシシを追い払わなければなりません。私たちはドローンによる追払いを提案しました。
研究(実用化)開発の目標
実際イノシシを追い払うドローンは軸径が40㎝程度の小型で十分です。また、現状ではPCのソフトに飛行ルートを書き込み、飛行禁止区域を設定するなどのスキルが必要ですが、それをすべてタブレット操作で、追払いの設定ができるようにします。平成32年度には自動でイノシシを追い払う商品として販売し、初年度100セットを目標とします。
研究(実用化)開発のポイント・先進性
最近、ドローンによる鳥害獣の生息調査が各地で行われていますが、野生のイノシシに直接ドローンを飛行させ、追払いを確認したのは当社だけです。50回以上になるその様子は動画にしてYouTubeに公開しています。特に大音響を流したり、光を放つなどをせず、ただドローンが近づく試験を50回以上実施し、すべてイノシシは逃げました。
https://www.youtube.com/watch?v=-nSXUHQUrVo&t=4s
また、センサーがイノシシを感知したら、ドローンは自動発進し画像認証でイノシシを追尾して追払い、自動で発進場所に戻る、とすべて無人での飛行を実証しました。この技術はセキュリティ分野にも重要な貢献ができます。
浜通り地域への経済波及効果(見込み)
イノシシ追払いドローンの組立は、今回共同で実証事業を行ったワインデング福島(南相馬市)にお願いする予定です。住民の避難指示解除地域は徐々に増えてきていますが、まだまだ住民が入れない帰還困難区域は浪江町、双葉町、大熊町、富岡町など広い区域になっています。これらの区域にはやはり野生のイノシシが横行していると考えられ、解除地域が増えても追払いできないと、住民が安心して帰還できません。町の復興は人々が安心して暮らせる環境が必須です。
これまでに得られた成果
■センサー信号によるドローンの自動離陸
■ドローン搭載カメラによる画像認証でイノシシを自動追尾
■ドローン搭載カメラによる温度感知自動追尾システム
■ドローン自動飛行で画像認識による高精度着陸
■地上車両(UGV)の高精度走行
開発者からの浜通り復興に向けたメッセージ
①対象エリア:浜通り地域
私たちは福島県福島市に拠点がある企業であり、南相馬市にも開発センターを設けました。東日本大震災は私たちにとっても大変ショッキングな出来事であり、それによって起こった被害、困難を克服するために、当社のロボティクス技術をフルに活用することが我々の使命です。
②連携、協力:ドローンは今後社会的な役割をになっていくために、単なるホビーから工業製品へとステップアップしなければなりません。それには私たちだけではできないことも多く、浜通りの企業がこれまでに培ってきた技術、知恵が必要です。ぜひ、協力いただいて、浜通りからグローバルな技術、製品が生まれることを望みます。