ロボット・ドローン
UAVを利用した災害時即時情報収集システムの技術開発
事業計画
洪水、斜面崩壊、土石流、山火事などの自然災害時の状況をUAVで取得し、関係機関(市町村、警察、消防等)への情報提供を迅速に行うシステムを開発します。具体的には、UAVの性能評価(防水性、防風性)、カメラ性能評価(ズーム、赤外線カメラ)等により、災害時に安全に運航できるマニュアルを整備するとともに、災害状況の写真、動画をアップロードし、Webページで共有可能なシステム構築を目指します。
実施期間
2017-2018
実用化開発場所
広野町
連携自治体
-
現状・背景
自然災害時には、2次災害の危険性が高い為、災害現場へ近づくことが難しく、災害状況の把握が困難です。また、近年は、豪雨災害が増えていることからUAVを使用する際にも、防水・防風性能を有する機種であることが求められます。
初期の対応を迅速化し、避難指示発令、要救助者の発見を早期に行うことで、災害時の被害軽減を実現できるシステムの構築を目指します。
研究(実用化)開発の目標
現在の浜通り地域(特に双葉郡)においては、住民の帰還が進まない、高齢者が多く帰還している等の特殊な事情があり、災害が起きた際に、避難が迅速に行えない可能性があることから、早期に災害状況を把握し、避難指示等に活用可能と考えます。
当面は、浜通り地域の全自治体に向けた事業展開を目標とします。
研究(実用化)開発のポイント・先進性
近年、UAVの技術は飛躍的に向上しており、UAVを災害時に活用する動きが広まっています。UAVは人が近づくことが困難な危険な場所でも上空から災害状況を撮影でき、高倍率ズームカメラや赤外線カメラで撮影することで、被災者の捜索活動が可能となります。
本開発では、自然災害時を想定し、UAVの防水・防風性能、搭載する高倍率ズームカメラ、赤外線カメラの性能評価を行うとともに、安全を確保した運航方法を検証します。また、関係機関(市町村、警察、消防等)が災害現場を迅速に確認するために、災害状況の写真、動画を自動的にマップ上に表示するWebシステムを開発します。
浜通り地域への経済波及効果(見込み)
近年、UAVから写真、動画を撮影することは一般的となっているものの、タイムリーに情報を共有する手段が無く、活用の場が限定されています。本事業の成果を使用することで、災害対応のみならず、日常点検業務や農作物の管理などで撮影したデータの情報共有が効率化され、より一層UAVの活用できる場が増えると考えます。
また、弊社においては、本事業と既存業務とを連携させることで、新規雇用を見込んでいます。
これまでに得られた成果
①UAVの防水・防風性能、搭載するカメラの高倍率ズーム機能、赤外線性能を評価し、災害現場での撮影方法を検証しました。
②実際の災害現場を想定したフィールドテストを実施し、安全を確保したうえで災害現場の調査飛行を行なうための運航マニュアルを整備しました。
③UAVで取得した写真、動画をクラウド上にアップロードし、そのデータから位置情報や写真、動画を自動的にマップ上に表示するWebシステムを開発しました。
開発者からの浜通り復興に向けたメッセージ
東日本大震災、東京電力福島第一原発事故で痛切に感じたことは、情報量が復興時間短縮に大きく寄与することでした。今後も、データの利活用の研究と仕組み作りや、UAVを利用した速やかな災害状況確認等の体制を整え、地域と一体となった災害復旧支援の役割を果たすことを目指します。
そして、今後の自然災害、原子力復興、国土資源の劣化(ストック事業)等様々なデータを集積、整備する情報業務の事業拡大を図り、雇用確保につなげる所存です。