ロボット・ドローン

ドローンによるアグリセンシングの研究開発

事業計画

ドローンやアグリセンサーを用いたセンシングによりこれまでの農作業の見える化を行い、かつ様々な農業用ドローンや移動型農業用ドローンポートを用いて就労時間の短縮や収量UP、品質向上を可能にする新たなIOT農業のスタイルを確立する研究を行っています。またそのセンシングにより得られた多種多様なデータを、新規開発したクラウド上の統合システム(農作業記録やGAP支援機能も搭載)に集約し、農業従事者をサポートします。

実施期間

2017-2018

実用化開発場所

田村市

連携自治体

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現状・背景

ドローンなどの先端技術を農業に導入することで新しい農業モデルを確立し、新規農業従事者の拡大や農業の安定化を図ることを目指しています。そのために農業用ドローンの運転者の育成やクラウドシステムの開発も同時に行っており、より現場に導入しやすい総合的なサービスの構築を目指しています。

研究(実用化)開発の目標

目標の柱は3つあり、新たな農業従事者の増加、生産物の安定化高品質化、またそれに伴う新規サービスの構築です。これらは今回の総合的なサービスが構築できれば可能と考えており、また福島モデルを構築することにより全国への展開も可能と考えています。初期の目標数字としては生産物売上高10億円、経済効果20億円としております。

研究(実用化)開発のポイント・先進性

今期開発した移動型農業用ドローンポートは、軽トラックに搭載可能であり、より広範囲の計測を可能にしています。また自発電源を搭載し、永続的なドローンポート稼動やデータ転送も可能となっています。農業従事者が軽トラックの運転席にいながらドローンの自動計測を行えるという理想モデルへと近づく開発となっています。またドローン計測データと気象センサーデータ、農作業データおよびFGAP(GAP)支援機能を集約した統合システムはこれまでにない統合システムであり、農業従事者だけでなく、農業法人、卸会社、飲食産業などが同時に活用でき、より農業の安心安全、効率化や高付加価値を謳えるツールとなっています。
今回の研究開発は、稲作以外の作物も対象とすることを目指しており、様々な作物にどうドローンやドローンポート、統合システムが活用できるかを実証しながらビジネスモデルの構築を目指しています。

浜通り地域への経済波及効果(見込み)

本研究により、農業の衰退化の足止めや新規農業モデル習得のための県外からの研修者、技術者の増加を見込むことができます。また福島県ならではの6次産業モデルを前提としたサプライチェーンの構築も可能と考え、1次・2次・3次産業との連携によりそれぞれの課題解決およびバリューチェーンの構築につながると考えていま

これまでに得られた成果

移動型農業用ドローンポートは、自発電源を搭載し、軽トラックでの移動計測が可能となっています。またデータ転送機器も搭載しているので、集積したデータをクラウド上にUPしていくことも可能です。これは将来的にドローンを農業に簡便に活用するための足がかりとなっており、搭載するドローンによっては多目的展開も可能となります。センシング統合システムについては、データを積み重ねることで農業全般への有効活用ができることが明らかになってきており、すでに引き合いがあるなど一定の評価を受けていると思われます。

開発者からの浜通り復興に向けたメッセージ

浜通りの復興という大きな課題の中でも、農業王国であった福島浜通りの農業を復興することは非常に重要なお題目であると考えています。今だからできるという最先端技術を駆使し、新たな農業モデルを確立することは、今後の福島を担う若者たちや福島を想う若者たちに活用され、必ずや浜通り地域、ひいては福島県の農業に寄与する力となると考えております。また今後の農業研究にも他分野との技術連携が必須と考えておりますので、様々な企業と連携し力を合わせて浜通り地域の農業の復興を目指していきます。

事業者の連絡先

株式会社糺の森 / 学校法人慶應義塾慶應義塾大学SFC研究所 / 協同組合企業情報センター